「女性は『管理職』を目指さなければならないのか」 あなたの人生と、「おひとり様」老後の貧困回避のため(2)/ニッセイ基礎研究所の坊美生子さん

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何歳からでもキャリアと収入アップの努力を

――最後に、今回のリポートのことで特に強調しておきたいことがありますか。

坊美生子さん 若い女性にとって、今は結婚・出産・子育てといったこれからのライフステージを考えることで精いっぱいだと思います。しかし、日本では、だんだん改善されてきているとはいえ、依然として男女の賃金格差が続いています。

ぜひ、はるか先ですが、自分の老後のことを想像していただきたいです。女性がシングルになれば、「貧困リスク」の可能性が高くなります。結婚すれば夫がいるから必ず大丈夫、とはなりません。離婚したり、死別したりするケースもあります。また現実には、未婚率が高くなっていますから、結婚しない可能性も大きいのです。

いまのうちから、自分のスキルを磨き、難しい仕事でも引き受けて、自分のキャリアと収入アップの努力を続ければ、老後の貧困リスクを遠ざけることができるでしょう。そして、自律的に働く女性を目指してほしい、というのが願いです。

中高年の女性も、働けるのはいまのうちです。定年が近い方も、「あと数年だから」と仕事の夢や目標を諦めるのではなく、新しいことにチャレンジすれば、きっと張り合いが増えるのではないでしょうか

――そして、やはり管理職を目指すのですか。

坊美生子さん 女性が管理職に就くことのメリットは大きいと思いますが、必ずしも管理職でなくてもいいと思っています。チームリーダーとか、係長とか、管理職の補佐的なポストでもいいでしょう。

大切なことは、さまざまな仕事にチャレンジして能力を発揮し、いまよりキャリアアップと年収アップを目指してほしいということです。

老後のリスクを避けるためということはありますが、それよりもっと、仕事の面で新しいことに挑戦したほうが面白いじゃないですか。結果的にモチベーションも上がり、毎日、生き生きとして楽しく暮していけるのではないかと思います。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)


【プロフィール】
坊 美生子(ぼう・みおこ)
ニッセイ基礎研究所生活研究部准主任研究員
2002年読売新聞大阪本社入社、2017年ニッセイ基礎研究所入社

主に中高年女性の雇用と暮らし、キャリアデザインを研究。日本は世界の中でもジェンダーギャップが最低ランクで、働く女性の賃金や老後の年金にも大きな男女格差があり、老後の女性の貧困リスクは増している。
そこで、女性がもっと自然体で、自律的に、生き生きと暮らしていくためには、社会全体のジェンダーギャップ解消が必須と考え、多くの研究リポートを発表。また、生活者の視点から、高齢者が利用しやすく、外出促進につながる移動サービスのあり方についても研究。
現在、「次世代自動車産業研究会」幹事、日本民間放送連盟賞近畿地区審査会審査員。

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