「女性は『管理職』を目指さなければならないのか」 あなたの人生と、「おひとり様」老後の貧困回避のため(2)/ニッセイ基礎研究所の坊美生子さん

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夫は家事育児をしっかり分担して

――なるほど。女性が管理職を目指すには周囲、特に夫や企業はどういう取組が必要でしょうか。

坊美生子さん 女性が職場で活躍するためには、家庭において、夫婦が家事育児を適切に分担することが必須です。

調査では、「自分が管理職になっても構わない」と回答した女性の条件に、「育児や介護など、家族のケアが一段落すること」とともに「夫が、家庭の仕事をもっと分担すること」を挙げた人が多かったです。

一方、企業に対しての希望で多かったのは「管理職の給与水準の改善」と「管理職の評価水準の改善」です。これは、責任が重くなり、業務負荷が大きくなるので当然の要望です。

ほかにも注目されるのは「管理職の業務内容や職務範囲の見直し」と「上位の管理職からの支援やアドバイス」、「管理職の残業時間を抑える仕組みや風土づくり」を求める声が高かったことです。

もっと、企業のマネージメントや風土、慣習を変えてほしいということです。

女性の昇進意欲のネックになっているのは、組織運営のあり方や働き方の問題です。アンケート結果を眺めていると、管理職を敬遠する女性側から「管理職の給与が低すぎる」「業務が多すぎる」「残業が多すぎる」という声が聞こえてきそうです。

家庭や企業の状況が現在のままだと、管理職に就きたいという中高年女性は約1割にとどまりましたが、こうした家庭と企業の課題を解決できれば、管理職を希望する女性は「4人に1人」まで増えることが、今回のアンケートでわかったのです。
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