中国メディア「捜狐」(WEB版)が2024年3月4日、21年東京五輪金メダルの伊藤美誠(スターツ、23)の特集記事を組みエールを送った。伊藤はパリ五輪女子代表の補欠が有力視されていたが、2月に開催された世界選手権後に辞退する意向を示した。同メディアは「伊藤は強い意志と自尊心を示す毅然とした態度と姿勢を選んだ」などと伝えた。
伊藤「リザーブは将来を背負っていく選手が経験するべきと思っている」
卓球王国の中国で伊藤は高く評価されており、ファンやメディアから注目されている。
「捜狐」も伊藤の実力を非常に高く評価しており、「外国の女子卓球史上最強の選手と言えるのが伊藤美誠選手だ。東京五輪前の勝率は非常に高く、中国代表選手に対する勝率は4割を超え、非常に高いレベルだった。中国代表を除いて他国の女子卓球選手は基本的に伊藤美誠選手には敵わない」と手放しで称賛した。
パリ五輪女子代表は早田ひな(23=日本生命)と平野美宇(木下グループ、23)がシングルス代表に選出され、3枠目の団体戦代表は張本美和(15=木下グループ)が選出された。張本は1月に行われた全日本選手権女子シングルスで決勝に進出し早田と対戦。惜しくも敗れ準優勝に終わったが急成長ぶりを見せた。
伊藤は当初から補欠を辞退する意向を示していたが、世界選手権後に改めて自身の思いを明かした。スポーツ紙などの報道によると、伊藤は「リザーブは将来を背負っていく選手が経験するべきと思っている」と説明したという。
「伊藤が卓球界にさらに貢献してくれることを信じている」
「捜狐」はこのような背景を説明しつつ「補欠辞退にも伊藤なりの理由があり、将来五輪に出場して金メダルを獲得したい選手に補欠を経験してほしいと願っている」とし、「パリ五輪出場は逃したが、伊藤美誠は自分の道をしっかりと歩むことを選んだ」と解説した。
さらに「卓球の歴史をリードしてきた伊藤選手は、並外れた強さと実績を持っている。パリ五輪代表選考には落ちたが、強い意志と自尊心を示す毅然とした態度と姿勢を選んだ。今後の大会でも、伊藤選手が素晴らしいパフォーマンスを見せ、卓球界にさらに貢献してくれることを信じている」とエールを送った。
「捜狐」の別の記事では、「伊藤はかつて日本卓球チームの看板選手であり、彼女の功績とパフォーマンスは日本卓球チームに数々の栄誉をもたらした。しかし、時間の経過と新世代のプレイヤーの台頭により、彼女の地位は徐々に置き換えられた。パリ五輪は新しい世代の選手たちの活躍の場となり、伊藤は素晴らしい活躍を期待している」と記した。
中国メディアは日本代表の補欠に注目しており、伊藤の代わりとして木原美悠(木下グループ、19)の補欠入りを予想するメディアもある。