円安、為替動向を見ていると...
フードアナリストの重盛高雄氏に、「牛丼1000円越え」の見込みを聞いた。すると、
「円安や為替の傾向を見ていると、ここ2年ほどで牛丼並盛が1000円を超える可能性は十分考えられる」
重盛氏の考える要因の1つ目は、為替だ。現在牛丼チェーンの原材料は米国牛やオーストラリア牛などの海外に頼っている。「値動きを見ていると、このまま安い仕入れを維持することはかなり難しい」と分析した。
2つ目は、最低賃金の上昇、人件費だ。生産年齢人口が減っていく日本において、牛丼チェーンは最低賃金よりは高いものの、多業種の軽作業などと競合して人材の奪い合いが起きている。「今の営業時間を維持するためには、人件費の上昇は避けられない」と話す。 こうした要因から商品価格への転嫁が起きれば、大幅な値上げにつながる恐れはあるだろう。
一方、牛丼が1000円を超えたら「顧客が許容できるかが問題」と、重盛氏は指摘した。「並盛1000円では納得できる人は少ない、どうやって付加価値をつけていくかが問題になってきます」。