牛丼チェーンの吉野家、松屋、すき家が低価格競争を起こしたのが、今から10年ほど前の2013年。牛丼は並盛で280円(税込、以下同)だった。
そして、今。牛丼・牛めしの並盛価格は高騰した。吉野家が468円(店内)、松屋とすき家は400円だ。吉野家が他店より10%ほど高くなっている。なお米国では、「YOSHINOYA」で牛丼並盛「ビーフボウル レギュラー」を注文すると、約1200円と驚きの値段になる。日本でも牛丼並盛が1000円越えする可能性について、識者を取材した。
デフレの2001年に400円→280円
吉野家における牛丼並盛の値段の推移を調べると、以下のようになった。
・吉野家における牛丼並盛の値段1(すべて税込み)
1999年:400円
2001年:280円(一部地域)
2004年:販売中止 ※BSE問題のため
2006年9月:380円
2009年12月:380円
2013年1月:280円
2014年4月:300円 ※消費税増税
比較的、物価が落ち着いていた1999年までは、400円程度で販売されていた。それが大きく変わったのが2001年だ。政府が「持続的な物価下落という意味において、緩やかなデフレにある」とデフレ宣言を発出。牛丼大手は相次いで値下げに走り、270円~290円程度まで価格が下がった。
2013年にも、吉野家、松屋、すき家が牛丼並盛を280円、キャンペーンでは250円と安値で提供した。こうした低価格路線は1年以上続いた。だが原材料費高騰などで各社は減益となり、吉野家では2014年4月に価格を300円に上げた。