今の給食指導は「時間内に食べられる、自分に合った量を子どもが食べる」が基本
山田さんは、「給食における摂食時間は20~30分程度です」と説明する。大人(会社員)が昼食にかける時間は、「2017年サラリーマンのお小遣い調査」(新生銀行グループが実施)によると、男性で22分、女性で約30分だ。
山田さんは、「もちろん、これに比べると子どもは食べるのに時間がかかると考えられますから、もう少し長くした方がいいだろうと考えることはできます」としつつ、
「しかし、数十年前の給食指導とは違い、現在は、『時間内に食べられる、自分に合った量を子どもが食べる』という給食指導が、基本となっています。教員が、急かして食べさせるということは考えられません」
と、指導方針を説明した。
一方で、「小学校低学年の場合、準備や片付けに時間がとられたり、給食前後に行事が入っている場合など、摂食時間が圧迫され、イレギュラー的に摂食時間が短くなることは考えられます」と指摘。さらに、「センター方式で、給食が各学校に配送される場合、配膳や片付けの時間は融通が利きません。やはり、何か事情がある場合など、十分な摂食時間が取れないことは考えられます」と可能性を挙げた。