2024年2月29日、史上初の現職総理出席での政治倫理審査会(政倫審)が開かれた。一方で同日、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手がインスタグラムで結婚を発表。大きな話題となったと同時に、SNSでは政倫審の報道が大谷選手の話題で埋もれてしまう可能性を指摘する声も出た。
NHKで21時から放送された「ニュースウオッチ9」ではトップ項目で大谷選手の結婚を報じたことで、一部から批判の声が上がっている。各社は本当に政倫審よりも大谷選手の結婚を重視したのか。各局の項目の順番と放送時間を検証した。
NHKとテレ朝は、トップは大谷結婚、放送時間は政倫審に割いた
ニュースウオッチ9がトップ項目で大谷選手の結婚を扱ったことは批判を呼んだ。その様子をデイリースポーツは「NHK、午後9時の全国ニューストップは大谷結婚 政倫審を後回しの判断に『ありえない』『不思議なタイミングでの発表』など批判多数」の見出しで報じ、ヤフーのアクセスランキングで上位にランキングイン。大谷選手の結婚とメディア批判への関心の高さをうかがわせた。
では、実際の番組内容はどうだったのか。冒頭で大谷選手の結婚を報じ、大谷選手が小学生の頃通ったという理髪店をはじめ、地元・岩手県の人々からの祝福の声などを報じた。放送時間は約5分25秒だった。次に政倫審について、約9分30秒報じた。審査会の様子や野党幹部のコメントのほか、政治部の担当記者の見解も放送された。
民放はどうか。21時54分から放送の「報道ステーション」(テレビ朝日系)でも、トップに大谷選手の結婚が報じられた。放送時間は約6分50秒。2番目に政倫審が、約12分23秒取り上げられた。
この2局は、トップに大谷選手の結婚を持ってきているものの、放送時間としては政倫審に2倍近くの時間を使っている。