「自らの顔は立ったものの、中身がないと失速する恐れも」
「政倫審を開催すると言った以上、やらないとウソをついたことになります。国民の政治不信を招いてしまいますので、自らやろうとしたのが大きいと思います。また、自ら範を示すことで、安倍派の幹部らが追随することも期待したのでしょう。岸田派の派閥解散に踏み切ったときと同じ思いで、今回も口火を切ったのだと思います」
安倍派の幹部4人も3月1日に公開の政倫審に出席することになったが、その理由については、こう述べた。
「もし岸田さんに追随しないと、批判されるからです。隠れていますと、説明責任を果たさない議員だとレッテルを貼られます。出席しないと、議員にとってマイナスになってしまうわけです」
それでは、なぜ岸田氏は安倍派幹部らに出席を指示できなかったのだろうか。
その背景には、岸田氏の指導力不足があると有馬さんはみる。
「もし指示すれば、安倍派の幹部らに嫌われてしまいます。9月の総裁選で、自分を推してくれなくなると考えたのでしょう。出席を促したとしても、命令はできなかったのだと思います」
派閥解散では、岸田氏と党幹部らとの間に溝ができたとも報じられている。今回の政倫審出席でどんな影響が出るかについては、こんな見方を示した。
「岸田さんは、顔が立ったかもしれませんが、党内で岸田さんを嫌う人が増えた可能性はあります。また、国民からは、ポーズだけで中身がなかったと批判されるかもしれません。党内で、有力候補がなかなか総裁選に出られない状況にあって、岸田さんが再選される可能性は残っていますが、今後支持率が上がっていくとはまだ言えない状況ですね」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)