「ヤングケアラーは、かっこいい」3年前の厚労省ポスターに賛否 子どもに「介護押し付け」批判、担当課に見解を聞いた

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「ポスターは、1人で抱え込まないでほしいという趣旨」

「この表現だけが一人歩きしているとの感じを受けています。一言を切り取られても、答えようがありません。ポスターは、1人で抱え込まないでほしいという趣旨であって、ヤングケアラーを肯定したり否定したりするものではありません。一定数がおられると分かっていますので、子どもたちに寄り添いながら必要な支援をすることが大事だと訴えているわけです。ポスターにある『一人で頑張らないで、誰かを頼ったっていい』という表現に尽きると思います」

   なぜヤングケアラーをなくそうと打ち出さないのかについては、こう説明した。

「子どもの権利がないがしろにされているという考えもありうる一方で、家族のケアをすることに対し、一定のやりがいを感じる方もおられるかもしれません。ヤングケアラーをなくそうと呼びかけると、子どもたちが周囲に助けを求めづらくなってしまう恐れがあるでしょう。単純に言い表すことはできないと思います」

   国が介護を担うべきだという意見については、「プロジェクトチームを作り、自治体に補助金を出して、ヤングケアラーを支援しており、この取り組みが公助に当たると考えています」と説明した。

   なお、こども家庭庁では現在、別のポスターでヤングケアラーを支援しているとした。

   そのポスターを見ると、「友達と遊びたいけど、家のこともやらなきゃ」「別に嫌でやってるわけじゃないし」などと若い女性がこちらを見てつぶやく内容になっている。下の方に、「ヤングケアラーは、一見ふつうのこどもたち。だからこそ、まわりが気づき、声をかけ、手を差し伸べることが大切です」と書かれ、こども家庭庁のサイトに誘導する仕組みになっている。この新しいポスターについては、内容に対する抗議などは特に来ていないという。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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