サッカー北朝鮮女子代表のリ・ユイル監督の言動に韓国メディアが不快感を示した。パリ五輪アジア最終予選(28日・国立競技場)で日本と対戦するリ監督は2024年2月27日に都内で会見を行った。複数の韓国メディアが会見の模様を速報し、リ監督と韓国人記者のやりとりに不快感を示した。
「国号を正確に呼ばないと質問を受け付けません」
スポーツ紙などの報道によると、リ監督は会見の中で韓国メディアの質問に嫌悪感を示したという。
リ監督が問題視したのは韓国放送局の記者の質問だ。「チャンネルA」の記者が「北韓(ブッカン)の女子サッカーに対するパワーはどこから来るのか」と質問していたところ、リ監督はこれを遮り韓国人記者に対して「訂正」を求めたという。韓国では北朝鮮を北韓と呼ぶことがあり、リ監督はこれに嫌悪感を示したとみられる。
複数の日本メディアによると、リ監督は「我々はブッカンチームではなく朝鮮民主主義人民共和国チームですから。国号を正確に呼ばないと質問を受け付けません」などと抗議したという。韓国メディア「東亜日報」(WEB版)は「記者会見場は数秒間、気まずい沈黙が続いた」と会見の様子を伝えた。
バスケットボールでも「私たちはNorth KoreaではなくDPR Korea」
会見の模様を「不穏な雰囲気」と表現した「OSEN」(WEB版)は、「北朝鮮は各種国際大会で韓国メディアの『北朝鮮』や『北側』という表現に非常に不快感を示している。『朝鮮民主主義人民共和国』という表現を代わりに使ってほしいと要求しているが、同時に彼らは『南朝鮮』という表現を使っている」と北朝鮮の「矛盾」を指摘した。
「MSN」(WEB版)によると、北朝鮮は22年中国・杭州アジア競技大会で呼称をめぐって敏感な反応を見せた。
当時リ監督は北朝鮮ではなく朝鮮民主主義人民共和国と呼べと抗議。バスケットボールでも同様の抗議があった。韓国人記者が「北朝鮮の応援団が熱狂的な応援を送ったが、感想はどうなのか。久しぶりに国際大会に出たが食べ物が口に合うか」を尋ねると、北朝鮮代表監督は「私たちはノースコリア(North Korea)ではない。私たちはDPRコリア(Democratic People's Republic of Korea)だ」と抗議したという。