スマホやサブスクに出費
続いて、経営コンサルタントの鈴木貴博氏に取材した。近年の風呂なし物件への人気は、「社会に貧困が広がった結果と考えられるが、状況は複雑である」と指摘する。
「現在の30代と、就職氷河期前である40年前の30代の年収を比較した場合、後者は『年収500万円』というものがイメージできる時代でした。現在は『年収300万円』がうらやましいと感じられる経済状況。しかし、そのような状況下でも、若年層は意外と生活を楽しんでいるとも言えます」
この点について、現在の20~30代の消費傾向を見ると、スマートフォンとサブスクへの支出をそれほどためらっていないと語る。つまり、この年齢層ならではの「ぜいたく」に、惜しみなくお金を出していると言えるというのだ。
「一方で、生活費の中で圧倒的に高い家賃に対して、財布のひもは固い。このような感覚があるため、『風呂なし物件で家賃を削り、スマホやサブスクにお金を使う』という優先順位になっているのではないでしょうか」
(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)