子どもの「初スマホ」10.5歳で下げ止まり? 「健康への悪影響」スマホの心配事に...専門家アドバイス「最初と、成長過程での話し合い大事」

小学校のICT教育で、スマホ利用がグンと伸びたが...

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当したモバイル社会研究所の水野一成さん(子ども・シニア・防災調査担当)に話を聞いた。

――スマホ開始年齢の低年齢化がどんどん進んでいたのに、なぜ2020年から10.5歳前後で下げ止まったのでしょうか。何が子どものスマホの世界であったのでしょうか。

水野一成さん ICT教育によって子どもたちの創造性を高めるために、文部科学省が2019年から始めた「GIGAスクール構想」の影響が大きいと思います。「GIGA」(ギガ)は「Global and Innovation Gateway for All」(全ての児童・生徒のための世界につながる革新的な扉)を意味します。

これは、全国の児童生徒にパソコン端末1人1台と、そのパソコンをインターネット環境につながるようにするための校内LANや無線LANなどの高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するものです。この構想のおかげで、子どものICT利用の状況が大きく進みました。

このため、2020年以前は小学生で所有率が伸びたため、平均年齢が下がりました。ただ、近年はその伸びも落ち着き、上がっているのは小学高学年、つまり平均値付近の子の所有率だけが伸びているため、平均年齢が下がり止まったと考えられます。

――しかし、GIGAスクール構想では、小学1年からICT端末を使う授業を行うとされています。となると、スマホ開始年齢の低年齢化がいったん10.5歳前後で止まったあと、今度は小学低学年へと、再び低年齢化が進む可能性はあるのはないですか。それともここで打ち止めでしょうか。

水野一成さん 推測は難しいですが、学校でICT端末(主にタブレットかパソコン)が利用されるようになり、たしかに小中学生のインターネット利用は活発になりました。
ただ、インターネットに利用している端末を見ると、家庭でのタブレット・パソコンの利用も大きく伸びています。そのため、必ずしもGIGAスクール構想の影響がスマホの所有率に関係があるとは言えないと考えます。
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