「今後、仮に飲み放題コースがなくなっても特に支障はないです」
こう話すのは、千葉県在住で大学3年生のサクラさん(仮名・21才)だ。
厚生労働省による「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」をめぐって、お酒を好きなだけ注文できる「飲み放題コース」への注目がにわかに集まっている。
飲み放題コースを利用すると、厚労省が発表する「適切な」飲酒量を超えて飲むことも「可能」だ。そのため、規制が今後強まるのではないかと危惧する声もある。
仮になくなるとすれば、若者たちはどう感じるのか。J-CASTニュースBizは現役大学生2人に話を聞いた。
コロナ禍もあり、お酒に慣れていない?
厚労省が2024年2月19日に発表したガイドラインでは、「純アルコール量」という指標で適切な飲酒量を示している。たとえば、アルコール度数5%のビールのロング缶には20グラム含まれているという。また、1日当たり約20グラム以上の飲酒を続けると大腸がんになる可能性が高くなるとする研究成果などをひきあいに健康リスクも説明した。
こうした国による「飲酒指針」が示され、にわかに注目を集めたのが、居酒屋を中心とした飲食店の「飲み放題コース」。利用すれば、決められた金額や時間の中で、アルコールやソフトドリンクを何杯でも注文できる。それだけに、今回のガイドラインを受け、規制が強まるのではないかと危惧する声もSNSには上がっている。
思えば「飲み放題コース」といえば、大学生が使うシーンが多い。そこで今回、現役大学生が「飲み放題コース」をどのように利用しているのか、J-CASTニュースBizが取材した。
先述のサクラさんは「そもそも注文したことがない」と明かす。居酒屋には月1回程度行くが、お酒を単品でしか注文したことがない。
サクラさんが入学したのはコロナ禍の2021年春。当時3、4年生の先輩と居酒屋に飲みに行く友人もいたが、同学年の学生の多くはお酒に慣れていないという。「その友人も同期と飲むときはあまり飲みません」
「お酒を飲みに行く」ではなく「ご飯を食べに行く」
東京都在住で大学3年生のミサキさん(仮名・22才)は、月2回ほど居酒屋に行く。ところが、飲み放題コースを最後に利用したのは2年前だという。
「昔のようにアルコールハラスメントもないので、飲む人と飲まない人に差があります。無理にお酒を飲まなくてもいいという風潮もあるため、居酒屋ではお酒を単品で注文することがほとんどです」
話を聞くと、友人同士であつまるとき、「お酒を飲みに行く」のではなく「ご飯を食べに行く」という目的意識がある。
だから、複数の居酒屋で迷った場合は、最終的にファミレスやラーメン屋に行くこともあるらしい。ミサキさんも「飲み放題がなくなっても特に問題ない」と話した。