卓球の2021年東京五輪金メダリスト伊藤美誠(スターツ、23)を中国メディアが大絶賛した。韓国・釜山で行われた世界選手権団体戦に出場した伊藤は24年2月26日に帰国し、改めて24年パリ五輪の補欠を辞退する意向を示した。
「リザーブは将来を背負っていく選手が経験するべき」
スポーツ紙の報道によると、伊藤は「リザーブは将来を背負っていく選手が経験するべきと思っている」などと語ったという。伊藤はパリ五輪代表から落選し補欠候補に挙がっている。
パリ五輪日本代表の女子は早田ひな(日本生命、23)、平野美宇(木下グループ、23)、張本美和(木下グループ、15)の3人が内定している。スポーツ紙の報道によると、伊藤は落選当初から「私はリザーブには向かないと思う」などと語り、補欠について消極的な姿勢を見せていたという。
中国メディア「捜狐」(WEB版)は、日本メディアが報じた伊藤のコメントを受け、特集記事を組んだ。「伊藤美誠、五輪補欠を辞退 金メダル獲得を目指す選手にチャンスを残す」などのタイトルで記事を展開した。
記事では、「日本卓球協会はパリ五輪のメンバーを発表したが補欠選手はまだ発表しておらず、伊藤への期待は大きい。しかし、伊藤は今回も拒否した」と解説し、五輪補欠に関する伊藤のコメントを紹介した。
伊藤のコーチとしての指導力を高く評価
そして「伊藤は東京五輪で金、銀、銅のメダルを獲得し、日本卓球界における地位は他の選手を大きく上回った。しかし、新しいサイクルに入ってからの伊藤の競技力低下は深刻で、試合の成績は急降下し世界ランキングはトップ10から外れてしまった。五輪シングルスの切符をかけた選考会で敗退し切符を手放さざるを得なかった」と説明した。
同メディアは伊藤が補欠を辞退する背景を詳細に伝えた上で、「伊藤が率先して補欠のポジションを放棄し、より適切な若い選手にチャンスを与えようとしている。これは明らかに高貴で名誉ある行為で本当に尊敬に値する」と手放しで大絶賛した。
さらに伊藤の世界選手権団体戦での行動に注目し、「コーチ」としての指導力を高く評価した。
記事では、「伊藤はサイドラインで何度も選手たちにアドバイスを与えた。中国との決勝戦では中国チームに十分なプレッシャーを与えた」と評価した。そして中国の一部のファンから「伊藤は選手よりも指導者に適しているのではないか」との声が上がったという。