「個の確立を助けてくれそうな上司」
川上氏は、2000年代の「理想の男性上司」の顔ぶれを、次のように評した。
「2000年頃は『成功者の背中についていく』という昭和の記憶を残しながら、指導力のある星野仙一さんや北野武さんが上位にいます。そこから古田敦也さんのような『目線を合わせて手を引いてくれるリーダー』に理想がシフトしていることが読み取れます」
そこから、池上彰さんのように「リーダーというよりも、ヒントを与え、導いてくれる人」に新入社員の理想が移った。さらに、現在8年連続トップの内村光良さんのような「やさしさや親しみやすさ、包容力のある上司像」を求めるようになったのだろうと分析した。
女性上司の場合、川上氏は、日本国内だと女性管理職比率(課長級)が13.9%と低い点を指摘。「『女性が上司だったら』というイメージで回答する人が多くならざるを得ない面がある」という。
「具体的な場面を想定して組織を『率いる素養』というよりは、黒木瞳さんや天海祐希さんのような、男性にも負けない強さや頼りがいといった『存在そのもの』が備える力が求められている傾向を感じます」
近年のランキングでは、内村さんや水卜さんのような「やさしさ」や「親近感」を感じる人に上位がシフトしている。川上氏は、新入社員が会社組織の一員として従属する考えから、より個・多様性の尊重に価値観が変わっているとする。そこで「個の確立を助けてくれそうな上司」を選んでいる傾向がみられると述べた。