アルコール度数9%などと高く酔いやすい低価格のストロング系酎ハイについて、大手メーカーの一部が撤退の動きを進めていると報じられ、ストロング系とアルコール依存症との関係がネット上で注目されている。
厚労省の検討会では、医師が「依存症患者の多くが選んでいる」と明かしており、健康障害の温床になっている可能性もある。国は、今後どのようにストロング系に対処していくのだろうか。
アルコール度数や飲酒量より「純アルコール量」に着目
産経新聞が2024年2月19日にウェブ版で報じたところによると、アサヒビールとサッポロビールが1月に入って、アルコール度数8%以上の缶酎ハイの新商品を販売しない方針を示し、キリンビールもストロング系の販売方針について検討を始めた。
若者の飲酒離れなどから、ストロング系の市場が徐々に縮小していることを主な理由に挙げた。そんな中で、厚労省がこの日に飲酒のリスクや体への影響をまとめた初のガイドラインを発表したことで、今後は、キリンとともにストロング系のシェアが多いサントリーの対応にも注目が集まっているとしている。
厚労省が公式サイトで発表したのは、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」だ。
そこでは、アルコール度数や飲酒量などよりも、「純アルコール量」という指標に着目した。アルコール度数と飲酒量、アルコール比重0.8の3つを掛けて算出する値だ。例えば、大腸がんの発症リスクを高める目安は、1日当たりビールのロング缶1本に当たる約20グラム以上などとしている。
ストロング系のお酒は、ロング缶1本だけで約40グラムに達するものもあるとされており、これを毎日飲み続ければ、かなりの高リスクになるわけだ。
ストロング系酎ハイは、2010年ごろから需要が拡大してきたが、ガイドラインをまとめた厚労省のアルコール健康障害対策推進室は2月20日、J-CASTニュースの取材に対し、需要拡大した数年後にストロング系が社会問題になったことも作成のきっかけになったと明かした。