「入社前後のイメージギャップ」が若手社員の早期退職を招く 「約束が違う」日本メーカーに就職した女性の思い

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「会社の伝統」で新入社員全員が工場勤務へ

   新卒入社2年目に日本のメーカーを辞めた女性Aさんも、入社前後のイメージギャップに驚いたひとりだ。大学では外国語を専攻し、輸入事務の仕事をさせてもらえる会社を探していたという。

   思えば、会社説明会に参加したときには、自社の製品がどんなに有名商品に使われているか華々しい紹介が行われた。その後、厳しい選考を突破して入社してみると、雪深い東北地方の工場に半年間研修に行くよう指示されたという。

   Aさんが赴いたのは機械が大きな音を立てながら稼働する工場で、作業着で黙々と生産作業に従事する仕事に配属された。

「会社は『どんな華々しい製品も、実際には地味な工場で生産されていることを知ってもらいたい。これは当社の伝統だ』と言っていました。工場見学程度と思っていたのが、実際に作業に従事させられるとは意外すぎてびっくりしました。先輩の中には『もう3年目に入る。約束が違う』と嘆いている人もいて、これはいつになったら希望の仕事に就けるかわからないなと」

   結局Aさんは在籍中から第二新卒の就職活動を行い、同業の外資系メーカーに転職した。転職先は製造職と事務職で入社選考から配属までルートがまったく異なり、入社すぐに希望する仕事の研修に入ることができたという。

   ただしAさんは社会人3年目になって「最初の会社の説明が悪かったというよりも、私が世間知らずだった」と反省し、就活生に注意を呼びかけたいとしている。

「日本のメーカーの品質が高いのは、会社の体質が古臭いところと表裏一体だったりする面があるのかもしれません。年功序列や会社の伝統を重んずるところ、融通が効かないところは、とても自力で変えられそうにありませんでした。ただ私には、終身雇用を前提に全員下積みから始める日本メーカーより、希望する仕事をすぐに教えてもらえて従事できる外資の方が肌に合ったということです」
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