電子レンジに卵3個を入れたところ、爆発して部屋中に飛び散り、レンジ本体も壊れてしまった――こんな衝撃的な体験談がX上で投稿され、大きな話題になっている。
卵を電子レンジに入れれば危険なのは行政なども呼びかけており、比較的広く知られた話だ。とはいえ、本体を壊すほどの爆発の破壊力なのだろうか。
卵の内部に発生した水蒸気の逃げ場がないため、破裂する
電子レンジのドアが大きく開き、庫内ばかりでなく、レンジを乗せた冷蔵庫の上にも、ゆで卵の白身や黄身が散乱している。
この写真は、新卒1年目という「けくめね」さん(@miitara37)が2024年2月21日にX上で投稿し、8万件以上の「いいね」が集まっている。
けくめねさんによると、卵をレンジにかけると爆発するのは知っていたものの、その爆発力の凄さに驚嘆した。レンジのドアを開けて部屋中に白身などが飛び散り、レンジ内の部品が割れて壊れていたという。
卵の殻を少し割って、丼の水の中に入れれば、白身が少し固まるだけの半熟ゆで卵ができるのではないかと考えて試したと明かした。それでも爆発したため、この試みは失敗だったと、けくめねさんは、反省の弁を述べた。
卵をレンジにかけることの危険さについては、行政なども折を見て公式サイトなどで呼びかけている。
国民生活センターは21年3月4日、電子レンジ調理器で卵が破裂したケースをサイト上で紹介し、改めて注意を促した。レンジでは、電磁波によって食材の内部から加熱され、卵などの殻や膜のある食材をレンジにかけると、食材の内部に発生した水蒸気の逃げ場がないため食材の内圧が上昇して破裂することがある、と説明している。レンジの取扱説明書でも、解きほぐしたもの以外の卵を加熱することは禁止されているとした。
取り上げたケースでは、レンジで禁止されている金属を使った調理器を使い、水の量が調理器の水位線よりも少なかったことが考えられるという。
破裂した衝撃で、庫内のガラスプレートが破損したケースも
製品評価技術基盤機構(nite)でも、生卵やゆで卵などを電子レンジで加熱したことによって、卵が破裂した事故が起きているとサイト上などで注意を促している。
ところで、爆発卵とも言われる現象によって、レンジ本体まで壊れるようなことはあるのだろうか。
同機構の製品安全広報課は2月22日、J-CASTニュースの取材に対し、過去の事例にそのようなケースがあることを明らかにした。
例えば、18年11月4日に奈良県内で起きた事故例では、レンジでゆで卵を含む調理物を加熱したところ、「ゆで卵が破裂した衝撃により、庫内のガラスプレートが破損した」と推定されるとした。なお、レンジの取扱説明書には、「生卵やゆで卵、目玉焼きは加熱しない。破裂した衝撃で庫内が破損する恐れがある」などと記載されていたという。
レンジが壊れることについて、製品安全広報課では、こう話した。
「庫内の底面が割れたほど、すごい爆発力があったことだと思います。卵などが当たって打撲や骨折というケースはあまりありませんが、体に付着してやけどを負うといった事故事例は多く報告されています。うっかりして...ということはあるかもしれませんが、レンジの取扱説明書を読んで、調理してはいけないものを確認するようにすることが大事だと思います」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
卵をレンチンすると爆発するのは知っていたけど、爆発力で扉を開け部屋中に卵をぶちまけ、レンジを完全破壊するほどの威力とは思ってなかった。 pic.twitter.com/KCcqVKPJcI
— けくめね???? (@miitara37) February 21, 2024