同僚と外でランチを食べながら、会社の話をした――。何気ないこうした行動で、社外秘情報が漏えいする危険性がある。しかも「頻繁に起きていると思います」と話すのは、社会構想大学院大学客員教授の鶴野充茂氏だ。
自分の会話内容が社外の人に聞かれた結果、会社の品位を下げたりすれば、会社から処分される可能性があるという。
社名、社長名、ブランド...固有名詞は注意
SNSに、こんな投稿があった。「社外秘」と書かれたファイルを電車内で開く人を見た、公共の場所で会社の情報を電話で話す人がいた――。また、昼食時に周囲の人が機密と思われる情報を口にしているのを聞いたという報告もある。
鶴野氏は、社外で同僚とランチ中に仕事の話をする場合、「周囲に人がいたら、こうした人が(自分たちの会話を)聞いている前提で話をする」ことが大事だと指摘。聞かれても大丈夫な内容を意識するのも大切だ。重要情報は、聞かれて困るような人がいないところで話すのが「社会人として持つべき最低限の心得です」。
固有名詞は、小さな声で話しても、当人が思う以上に周りの人は反応して耳をそばだてて聞いてしまうものだと、鶴野氏。社名やブランド、社長、役員、イベント名は、所属や関係者か特定されやすいため注意が必要だと指摘する。
「個室であっても、盛り上がっている会話で『どこの会社の人たちかが分かった』という経験がある人は、決して少なくないはずです」
そこまで神経質になることか、と思う人は、「おそらく気づかないところで情報をもらしています。今までそれが問題にならなかっただけのこと」と、鶴野氏は注意を促した。