ガラケー時代に「着メロ」「着うた」大流行したのに スマホになったら着信音はみんなデフォルト?

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   iPhoneが日本で初めて販売されたのは、2008年。スマートフォン(スマホ)が普及する前、いわゆる「ガラケー」全盛のころ、ユーザーは携帯電話の着信音をデフォルトのままにはせず、「着メロ」(商標権はビジュアルアーツが保有)や「着うた」(商標権はソニー・ミュージックエンタテインメントが保有)というサービスを多く利用していた。

   携帯電話に着信があった際、初期設定の着信音の代わりに使われるメロディーが「着メロ」、楽曲そのものが流れるのが「着うた」だ。ヒット曲をはじめ、お気に入りの音楽を設定でき、流行した。一方、今日ではスマホに着信があっても、マナーモードか、デフォルト音のままが多い気がする。着信音に、お気に入りの音楽や歌を設定する人はいなくなったのか。

  • 使わなくなって久しいガラケーと着メロ
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  • 携帯電話と言えば、今やスマホがほとんどとなった
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  • 折りたたみタイプのケータイ
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  • ストレートタイプのケータイ
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  • 携帯電話にも歴史が生まれている
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「LINEの普及」がカギ

   30代女性Aさんは、「ガラケーのときに着メロ使ってました」と話す一方、「スマホでは使っていません」。明確な理由はないが、スマホでYouTubeを見れば音楽を自由に聴ける、といった具合になり、着信音に音楽を設定することに興味がなくなったようだ。

   40代女性Bさんは「最盛期には5曲ぐらい使っていた」と当時を懐かしむも、やはり、スマホになってからは使わず。30代男性Cさんも、「ガラケーの時はあんなに使っていたのに、確かに...!」と驚いていた。

   若者文化に詳しいマーケティングアナリスト・原田曜平氏に意見を求めた。自身のスマホ(iPhone)も、確かに初期設定の着信音を使い続けていると明かす。着信音にお気に入りの音楽を設定しなくなった最大の原因について、こう述べた。

「LINEの普及ですよね。LINEで通話するケースもありますが、圧倒的にテキストでのチャットが多い」
「頻繁に電話を使っていた時代は、音を変えることも日々のルーティンを彩る楽しみだったと思いますが、たまにしか使わないものであれば同じものでも飽きない、ということではないでしょうか」

   芝浦工業大学デザイン工学部教授の原田氏は、自身の教え子にヒアリングし、結果を教えてくれた。その中に、「LINEの通知音をオフにしているので音がいらない」「自分が聞いている音楽がバレるのが恥ずかしい」との回答があったという。若い世代は、「公共の場で、スマホから注目を集めるような音が鳴るのを嫌がる傾向にあるからだと思います」と原田氏。

「通常の着信音であれば、周囲からそれほど注目を集めることがないため、変えていないんだと思います。また、大事な連絡が来る時以外、基本スマホを消音モードにしており、着信音を聞く機会があまりないため、わざわざ設定をいじって着メロ設定をする手間が面倒という声も多いです」

そもそもスマホと音楽の関わり方が変わった

   今の若い世代が、「着うた」も使わないことに関して、原田氏は、

「音楽サブスクの誤作動か、着信音か区別がつかず不便。そして、電車で着うたが鳴ると間違えて音楽を再生してしまった人のように周囲から白い目で見られるのが嫌、という人が多い印象です」

と話す。

   一方、かつて着メロ・着うたに親しんでいた世代が、今は使わなくなった理由はなんだろうか。当時こうしたサービスは、「音楽を聴くためではなく、着信音のために使用するものというイメージがあった」と原田氏。そのうえで、こう述べた。

「今は音楽を聴くために、スマホに音楽を落とします。そもそもスマホと音楽の関わり方が変わったんだと思います」

   さらに、当時はサブスクではなく1曲ごとに曲を購入していた点を挙げ、

「数百円で1曲買っていたので、希少価値みたいなものがあった記憶があります。だからこそ使えるところで使い回したい。でも今はいつでも好きな時に定額制で聴き放題。曲に対する価値も薄れたかな」

と指摘した。

(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)

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