私立の愛知医科大学(愛知県長久手市)が1次試験の判定ミスで不合格にした80人について2次試験の別日程を国立大試験日に設定し、X上などで批判が相次いでいる。
これに対し、同大の入試課は、3月に第3の日程を検討して希望を募っているとして、柔軟に対応する方針を取材に明らかにした。
実際の対応が伝わっていないとして、「困惑しています」
愛知医科大では、大学入試共通テストを利用したタイプの医学部の1次試験について、2024年2月8日に合格者を発表した。
ところが、入試課によると、合格した友人よりも自己採点の点数が高いのになぜ不合格になったのかという疑問がSNS上で相次ぎ、大学側が調査をして確認をしたところ、今回の判定ミスが発覚した。
このことを受け、同大では20日、判定ミスについて公式サイトでお知らせを出した。そこでは、個人の成績を大学のシステムで所定様式に入力し直す際、パソコンの操作ミスで、一部の受験生の得点が実際の得点よりも低く入力された科目があった。その結果、本来は合格だった80人が不合格と判定されてしまったとしている。
この80人には、個別に電話やメールで連絡しており、2日後の22日に面接だけで行われる通常の2次試験を受けられるとした。来られない人には、別日程として2月25日を設定したと説明した。
しかし、この内容やその後の報道に対し、X上などでは疑問が相次いだ。それは、国立大学医学部の前期試験と別日程がダブっており、また2日後の試験では準備が間に合わないのではないかとみられたからだ。「自分のミスなのに国立の日にぶつけて来るとか」「究極の選択すぎるだろ...」「急な日程で追い込むのも酷い」といった意見が次々に書き込まれている。
これに対し、愛知医科大の入試課長は22日、J-CASTニュースの取材に対し、実際の対応が伝わっていないとして、「困惑しています」と明かした。
代替日に関係するのは数人ほどで、3月に第3の日程も用意と説明
国立大試験日の2月25日について、入試課長は、「受験生には恐らく難しい日程だと思います」として、こう説明した。
「3月に第3の日程を提案しようと考えており、現在は、個別に希望を取っています。いつにするかはこれから対応しますが、それぞれの希望日程に合わせ、柔軟に対応したいと考えております」
入試課によると、80人のうち20人は、1月に試験を行った一般選抜のタイプで、すでに合格している。共通テスト利用タイプの1次発表日と同じ2月8日に発表が行われた。いわば同大医学部の中で併願しているダブルエントリー者だ。
残りの60人の処遇が問題になるが、そのうち半数ほどは、併願した別の大学への進学が決まっていたという。また、後の半数に当たる30人ほどは、その多くが22日の2次試験を受験しており、3月の第3日程に関係あるのは、数人ほどになるとした。
「発表から2日後の試験でも、多くの受験生が日程を開けていてくれました。予備校などで面接対策を受けている受験生が多く、私立用に準備もできている様子でした。都合がつかない方には、個別の対応で意思を確認しており、これまでにクレームなどは聞いていません」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)