日本株「4万円突破」なるか? 吉と出るか凶と出るか、ヤマ場は6月...「米国頼み」が日本の課題/第一生命経済研究所 首席エコノミスト・熊野英生さん解説

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株価急上昇か、大下落か、6月がヤマ場

熊野英生さん(本人提供)
熊野英生さん(本人提供)

   野村証券は2024年2月15日、2024年度末(2025年3月末)の日経平均株価の予測値を4万500円、期中の高値を4万3500円に設定すると発表した。これまでは2024年12月末時点で3万8000円とみていたから、引き上げたかたちだ。

   さて、日本株は「4万円台」に突入できるのか。J‐CASTニュースBiz編集部は、リポートをまとめた熊野英生さんに話を聞いた。

――ズバリ聞きます。日経平均株価は今年(2024年)中に、4万円の大台を突破ができるでしょうか。その前に、バブル期につけた最高値3万8915円(1989年12月)を超えなくてはなりませんが。

熊野英生さん 3万8915円超えは、この3月中にすぐ達成すると思います。目下最大のイベントとされる米半導体大手エヌビディアの決算次第(日本時間の2月22日午前発表)では、一気に突破してしまうでしょう。

そこを過ぎると、4万円の大台まで残り3.6%ですから、たいしたことはりません。今年中と言わず、6月頃に突破する可能性が高いです。6月が大きな分岐点になると思います。

――6月には何があるのですか。

熊野英生さん 国内事情で言うと、政府与党が昨年(2023年12月)決めた税率改正大綱によって所得減税が行われます。納税者本人と扶養家族を対象に、所得税3万円・住民税1万円の計4万円が定額減税されますから、標準家庭(1世帯4人)では計16万円が戻ってきます。

大半が消費より貯蓄に回り、5兆円の減税資金のいくらかが株式市場に流入すると予想します。個人投資家は新NISAが始まったことだし、リスク性資産へのシフトを強めるでしょう。

それより大きいのは、米国事情です。FRBが利下げに踏み切るかどうかです。

――どういうことでしょうか。

熊野英生さん 当初はもっと早く利下げが行われると見られていましたが、思いのほか、米国のインフレが根強い。2月13日に発表した米CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回る伸びを示し、市場の早期利下げ期待に冷や水を浴びせました。

これは米国経済の体温が高く、元気であるという証拠でもありますが、それに対してインフレ抑制を目指すFRBが、体温が高過ぎて利下げをしない選択肢もあり得ます。金融引き締めを続けるのか、市場が期待する利下げを行うのか、ギリギリまで判断に迷うでしょう。

また、同じ6月には欧州中央銀行であるECBも利下げに踏み切る可能性が高いですから、FRBとECBが同時に利下げに踏み切ると、世界の株価がドーンと上昇するでしょう。日経平均が一気に4万円台に行くことも夢ではありません。
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