食料品や日用品の値上がりが止まらない。帝国データバンクが2023年12月29日に公開した調査結果によると、「2024 年の値上げ動向は5 月までに 3891 品目、23 年比 6 割減ペースで年1~1 万5000品目と予想」した。前年比で品数は減る予想とはいえ、まだまだ家計に厳しい時期は続くようだ。
長く続く物価高の対策として、消費者行動は変わったのだろうか。J-CASTニュースBiz編集部は、博報堂買物研究所を取材した。
年末「プチぜいたく」した人が節約志向
2024年に値上げされるものの一例を挙げよう。味の素AGFは、4月1日から納品分の25品種の価格改定を実施。対象になるブランドは「ブレンディ」「ちょっと贅沢な珈琲店」「マキシム」で、店頭価格の上昇幅は20%~25%だ。プリマハムも同日から、家庭用・業務用約130品を対象に3~38%値上げする。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンでは24年5月1日出荷分から缶製品、瓶製品、パウチ製品、PETボトル製品、紙パック製品などをメーカー希望小売価格3~40%値上げ、1本あたり10~52円価格改定する。
記事冒頭で示した、帝国データバンクの「『食品主要 195 社』価格改定動向調査―2023 年動向・24 年見通し」によれば、「2024 年の値上げで最も多い食品分野は『加工食品』(2137 品目)で、全体の約半数を占めた」。
博報堂買物研究所の飯島拓海研究員を取材した。同研究所では生活者の購買データを基に独自調査を行っている。節約志向の高い人のデータを見てみると、「昨年末、嗜好性の高い商品カテゴリーでちょっと高価な商品を購入した人が顕著になっています。去年1年間、家計のやりくりでストレスがたまり、年末に発散するためにプチぜいたくをした人が多かったようです」と分析した。