プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、30)が2024年2月19日に行われた23年度年間表彰式に出席し、5月に対戦が予定されるルイス・ネリ(メキシコ、29)について「準備できている」と明かした。複数のスポーツ紙が同日報じた。所属ジムの大橋秀行会長(58)は3月中にも正式に発表できると語ったという。
「体重超過や禁止薬物などに非常に厳しいチェックが入る」
東京ドームで予定されるネリ戦が実現すれば史上最大規模の世界戦となる見通しだ。過去に2度、日本のリングに上がりドーピング疑惑、体重超過の失態を犯したネリだけに、リング外での動向にも注目が集まる。正式契約にあたり井上陣営はどのような対策を練ってくるのか。J-CASTニュースは、プロモーターとして数多くの世界戦をプロモートしてきたTMKジムの金平桂一郎会長(58)に話を聞いた。
ネリは17年8月にWBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)に挑戦し2回TKO勝利で王座を獲得した。ところが試合後にドーピング疑惑が浮上。試合を統括したWBCはネリの検体から禁止薬物の陽性反応が出たことを認めるも、故意に摂取した確証が得られないとして処分しなかった。
18年3月に山中との再戦のために2度目の来日を果たしたが、世界戦の前日計量で体重を超過して王座をはく奪された。試合は山中が勝てば王座獲得、ネリが勝利した場合は王座が空位になるという変則的な形で行われ、ネリが2回TKOで勝利した。体重超過を重く見た日本ボクシングコミッション(JBC)は、ネリに対して無期限の資格停止処分を科した。
金平会長は「JBCがずっと禁止していたネリ選手の招へいがようやく認められることになります」とし、「ネリ選手には体重超過や禁止薬物などに非常に厳しいチェックが入ると思います。仮に違反した場合、金銭的に当然相当厳しいペナルティーが科されるでしょう。損害賠償的なものになるかは分からないが、ファイトマネー大幅減で追徴罰金の可能性もあると思います」との見解を示した。