能登半島地震では家族と離れ離れになった人が多く出た。災害時には家族と連絡を取るにはどうしたらよいか。
NTTドコモの研究機関、モバイル社会研究所(東京都千代田区)が2024年2月8日に発表した調査「災害時に家族と連絡を取る方法を決めている 3人に1人」によると、7割近くの人が連絡方法を決めていない。いざというとき、家族と自分の命を守るにはどうしたらよいのか。調査担当者に連絡方法を聞いた。
スマホ・ケータイ通話・メールがダントツだが...
モバイル社会研究所の調査(2023年11月)は、全国の15歳~79歳の男女8991人が対象。まず、災害時に家族と連絡を取り合う手段を家族(同居・別居問わず)で決めているかを聞くと、「決めている」のは3人に1人だった【図表1】。
年代別に見ると、10代が最も高く(男性48%、女性39%)、年代が上がると決めている割合は下がる傾向だ。30代が最も低く(男性31%、女性27%)、そこから年代が上がると上昇する。シニア層で特に高く、70代男性では43%に達した【図表2】。
具体的に決めている内容(複数回答可)は、スマホ・ケータイの通話(75%)が最も多い。次いで、スマホ・ケータイのメール(75%)、SNSの音声通話(23%)、災害用伝言版(20%)、SNSのメッセージ(19%)となった【図表3】。どの年代でも、1位がスマホ・ケータイの通話、2位がスマホ・ケータイのメールとなっている。
興味深いのは、都道府県別の災害時に家族と連絡をとる方法を決めているに比較したデータだ【図表4】。
これを見ると、2016年に熊本地震があった熊本県や、南海トラフ地震や首都直下地震の危機が迫っているとされる和歌山、三重、愛知、神奈川、千葉の各県や東京都が平均より高い水準にある。やはり、住民の危機意識が浸透しているのだろうか。
なお、モバイル社会研究所のリポートでは、身近な避難所の確認や、離れ離れになった家族の連絡方法など、災害時に役立つ情報を満載した「データで見る防災ガイド」を公開している。