イーロン・マスク氏が2022年に買収したツイッター(現X)。インプレッション(閲覧数)を稼ぐ投稿が激増するなど、「改悪」への不信感を募らせる声が、ユーザーから上がっている。
しかし、Xに比較的似ている「Threads」「Mastodon」よりも、いまだ人気は根強い。他のSNSに登録したユーザーが「結局ツイッターなんだよな」と、Xに戻る事例もみられる。決定的なX離れが起きていない背景を、ITジャーナリストの井上トシユキ氏に聞いた。
過去の投稿が「資産」となっている
「Threads」は、米SNS大手メタ社が2023年7月にリリースしたSNSだ。当初はXの対抗馬になるのではないかと、複数メディアでも取り上げられていた。「Mastodon」も同様に注目を集めた。
それでも、多くのユーザーはXを使い続ける。井上氏は、次の2点を理由に挙げた。
(1)フォローやフォロワー、過去の投稿などのSNS上の資産がある。
(2)ユーザーの好みに応じたニュースが流れてくる。
一方、Xが他のSNSより優れているわけではないとも述べる。それでも、「ユーザーが(Xの)プラットフォーム上で蓄積した、一種の体験や残されたコメントといった資産が、やっぱり魅力なのでしょう」。