様々な肉料理が楽しめる老舗の飲食店「肉の万世」秋葉原本店(東京都千代田区)が、2024年3月末をもって閉店すると発表され、「ちょっとショックだ」などと惜しむ声がX上などで相次いでいる。
3年前に「肉ビル」の愛称で呼ばれる本店ビルが売却されて騒ぎになったが、ついに33年の営業をいったん終わらせることになった。運営会社の万世に、閉店までの事情を聞いた。
閉店発表では「もーちゃんぶーちゃんと帰ってきます」
お馴染みの牛と豚のキャラクター「もーちゃん」「ぶーちゃん」が、笑顔で「またね...」と告げている。
こんなイラストのポスターを掲げて、肉の万世の公式サイトで2月20日、秋葉原本店の閉店が発表された。
それによると、3階の洋食店が3月20日、4階の洋食店が同31日、万世麺店が同31日にそれぞれ閉店する。「33年間のご愛顧ありがとうございました」と客に感謝の意を示し、次のように意味深なメッセージを残した。
「いろいろな思い出のある万世本店ビル。まんせい肉ビルは歴史を閉じますがまたもーちゃんぶーちゃんと帰ってきます。でんき街とともに75年、これからも頑張ります」
そして、秋葉原近辺では、23年8月にオープンした焼肉店「焼肉の万世」秋葉原店に加え、新たに「肉の万世」アキバプレイス店が3月25日にオープンすることを告げ、「これからも万世にいらっしゃいまんせい」とお馴染みのフレーズでアピールしていた。
この発表がX上で拡散されて大きな話題になり、老舗の閉店に惜しむ声が相次いでいる。
「アキバの街並み見て食べるハンバーグが大好きでした」
「秋葉原の象徴のひとつが消えるのか」
「寂しくなりますね~」...
「本店をどうするか、現在は社内で協議しています」
ポスターの決意文を縦読みすると、「いままでありがとう」となっていることも話題を呼んだ。
肉の万世は1949年に東京・秋葉原で創業した。屋号は近くを流れる神田川にかかる「万世橋」にちなんだものだ。名物「万かつサンド」で知られ、秋葉原を代表する飲食店として人気を集めてきた。現在は秋葉原本店に加え、首都圏を中心に肉の万世を30店舗近く構えている。
運営会社の万世は2月20日、J-CASTニュースの取材に対し、お客様相談室の担当者が秋葉原本店の閉店事情をこう説明した。
「建物が33年経って、新たにこの先をどうするか営業戦略を考えるため、閉店することにしました。本店をどうするか、現在は社内で協議しています。建物が今後どうなるのかは分かりませんし、経済状況も変わるので何とも言えませんが、発表のポスターにもありますように、ここに戻って来る意思はあります」
同社が展開する30店舗近くについては、「営業は従来通りになります」としている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)