人手不足の千葉児相がアピールする「大きなやりがい」本当か 元職員3人がJ-CASTニュースに明かした労働環境

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「自分が手持ちぶさたなのに、同期が忙しくしているのは結構苦しかった」

   Bさんは同期に比べてもらえる仕事量が少なかったとしており、それが苦しかったと明かす。

「自分が手持ちぶさたなのに、同期が忙しくしているのは結構苦しかったです。公務の仕事は責任が重いから、新人には仕事なかなか振れないっていうのも理解はできるはできるのですが、人手不足ですし、部下にも仕事を与えた方がいいと思いました」

   そのため「この業務していいですか」と上司に伺いを立てたこともあったが、『それはまだ君には早い』と言われ、その理由については教えてくれなかったという。子どもや保護者への対応などについても、背景にある理由を教えてもらえず、「児童福祉法がそうなっているから」としか説明してもらえなかったという。

   ほかにも、「『君、この仕事合ってないよ』とか『君の書く文章は人を責める文章だ』と言われたこともありましたが、それにも理由がないので、こちらとしても修正しようがなかったです」とも話す。「この仕事合ってないよ」と言われたことは、Bさんの退職理由の1つにもなった。

   県児童家庭課によると、心理職の24年4月1日入庁者の採用目標人数は40名、同採用予定者数は26名だ。なお、採用予定者数には23年度中に前倒し採用した2名を含むという。

   児相が人手不足に陥っていることについて、Bさんは「多分、今いる(職員の)皆さんはすごく頑張っていると思います。なかなか善意だけでできる仕事ではないので。なので、人を募集する前に、今いる人たちの処遇を考えて、体制をしっかり変えなければ難しいところはあると思います」とした。

「例えば、研修を増やした方がいいと思います。普通の会社だったら、3か月くらいしっかり研修などをすると思うのですが、児相は1か月もないぐらいでいきなり現場に出されました。また、心理職で入庁しても3~4年目で児童福祉士に配属転換になるのですが、それは雇用ケア的にどうなのかと、非常におかしいと思います。そこの処遇もしっかり変えていかないと、人の流出は止まらないと思います」

   研修について、県児童家庭課は、「県では新たに心理職に任用される業務未経験の職員を対象として、業務に必要な基礎知識や児童相談所の役割など、基礎的な知識・技術を習得できるよう、年度当初の4月に新任者研修を実施している。また、学んだ知識やスキルの定着に向け、秋頃フォローアップ研修を実施している。このような新任研修については、少なくとも10年以上前から実施している」と説明。

   児童福祉士への異動については「本人の意向も踏まえ、キャリアパスの一環として児童福祉司に任用することもあります。なお、採用案内等においてもその旨説明を行うよう努めているところです」としている。

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