人手不足の千葉児相がアピールする「大きなやりがい」本当か 元職員3人がJ-CASTニュースに明かした労働環境

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上司「仕事なんだからやりがいなんて考えなくていい」

   試験に合格したあとも、Aさんはあまり担当を持たせてもらえなかった。一方で、Aさんも「児相は特殊なので、ある程度は仕方ないところがあるのかもしれませんが」としつつ、「子どもへの共感を完全に度外視しているところに(前職との)ギャップを感じました」といい、次のように話した。

「一度、虐待されて一時保護されてきた小学校低学年の子を担当したことがありましたが、他の先輩たちは、その子に対していきなり『なんで君、ここに来たかわかる?』『これからどうなりたいの?』と継ぎ早に聞くんです。ろくに自己紹介もしないまま。その子は(心を)閉ざしてしまって、何も喋れなくなってしまいました。その後、僕が単独で面接したときに、部屋の窓を開けて一緒に外の景色を見ながら『飛行機だね』とか話しながら(面接を)したら、ちょっとだけ心を開いてくれて、話してくれました。でも、そのことを先輩に報告すると、否定されました。『遊んでくれるお兄さんになっちゃうから次はやめて』みたいな」

   さらに、「子どもに優しくしたら『何やってんのこいつ』のように見られる雰囲気はあったように思います。もっとスピーディに、淡々とやらなきゃいけない。子どもファーストじゃなかったです」といい、「虐待に加担している感覚になった」と当時の心境を明かした。

   「自分の専門性が活きた瞬間がほぼなかった」「資格を持っている意味がない」と感じていたところ、前出の上長との個人面談の際に「仕事の悩みはあるか」と聞かれたという。「やりがいを感じられない」旨を伝えると、「『(勤務年数が浅いため)まだ仕事のことがよくわかっていないでしょ』『仕事なんだからやりがいなんて考えなくていい』『与えられた仕事をただやればいい』というようなことを言われました。親身に相談に乗ってくれるような雰囲気を出しておきながら、突き放されましたね。そこで完全に見切りを付けました」と明かす。

   退職時には前出の上長から「君は自分に甘いよね。どこへ行ってもやっていけないと思う」とも言われたという。

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