2000年代後半、「学歴フィルター」の問題が明るみになると
学歴社会と関連して就活中によく語られるのが、いわゆる「学歴フィルター」の存在だ。企業の採用活動の負担などを減らすために、学歴でふるいにかけるとされる。
大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は、学歴フィルターについて、
「学歴フィルターが行われていたのは1990年代後半から2000年代前半で、学生が日常的に就職情報サイトを使い、企業が採用する学生を選べた就職氷河期のころです。
そして、2000年代後半になってメディアなど『学歴フィルター』が問題になると、『学歴差別をしている企業』というブランドイメージの悪化を逃れるため、学歴によるフィルタリングを大企業や外資金融がしなくなったという建前があります」
と指摘した。
だが、一方で、学歴フィルターの代わりに使われるようになったのが、適性検査だという。
「最近では、書類選考前や書類選考と同時に、適性検査を実施する大企業が多いです。いわゆる能力検査は実質的にIQを図るようなものなので、優秀な学生を残すことができ、性格検査でミスマッチを防ぐこともできます」
そして、目下、就活では学生が「売り手市場」で、
「これまで東大早慶を採用していた企業が、明治大学、青山学院大学などの大学群を採用したりするなど、いってみれば出身大学にこだわっていると採用予定数に達しない。そのため、学歴の縛りが緩くなっている時代だといえます」
と説明した。