東京・豊洲に誕生した大型商業施設「豊洲 千客万来」が話題だ。豊洲市場の場外エリアという立地を生かした新鮮な魚介類の料理をはじめ、土産物を扱う店が多数入居する。
2024年2月1日の開業直後から散見されるのが、食事メニューの一部が高額で、外国人観光客向けの「観光地料金」ではないかといった論調の報道だ。
飛び交う「インバウン丼」という論調の報道
「千客万来」開業以降、テレビでは、レストランでマグロやウニといった魚介類を満載した海鮮丼が紹介されていた。そこでは内容の充実ぶりに加え、比較的高価格という点に注目している。インターネット上では「インバウン丼」と呼ばれ、インバウンドを期待しての価格ではないかとの取り上げ方も多い。
編集部は、千客万来を訪問した人物にX(ツイッター)で接触、話を聞いた。同所で高額の食事メニューを見たのか。
「丼物など高価なものは6000円を超えるものもあり、フードコートのような場所にも関わらず高額な印象を受けました」
本人は実際には食べず、訪問時間が平日夕方だったせいか、そのメニューを選んでいた客も見当たらなかったと言う。一方で、こんな話も。
「そういった(高額の)商品ばかり、メディアの注目を集めていますが、大半の一般的な価格帯の食事メニュー(2000円未満)の存在が紹介されていない状況も現地で分かりました」
1階飲食店には高価格の商品があったが...
編集部記者も現地に赴いた。地下1階の駐車場の上に、地上3階層にわたって売り場が展開。「観光地価格」と言えそうな価格の商品は、1階の飲食店に多く見られた。一方、3階に行くと高額メニューは減り、2階だと土産物店が飲食店に混じって多数入居していることもあってか、もはやほとんど目につかなかった。
高額な食事を出している飲食店でも、1000円を切るメニューも存在し、全商品が観光地価格という店はないと言って良い状況だった。また、注文されている食事が必ずしも高価格帯のものばかりではない印象を受けた。
(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)