違約金最大11億円!それでも韓国サッカー代表・クリンスマン監督更迭へ 「独断的」選出過程にも批判...地元報道

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   韓国サッカー協会代表戦力強化委員会は2024年2月15日、ソウル市内で会議を行いユルゲン・クリンスマン監督(59)の更迭を協会に提案した。複数の地元メディアが同日報じた。今後、決定権を持つチョン・モンギュ会長の決断を待ってクリンスマン監督の去就が決定するという。

  • クリンスマン監督(写真:アフロ)
    クリンスマン監督(写真:アフロ)
  • クリンスマン監督(写真:アフロ)

「これ以上リーダーシップを発揮するのが難しい」

   地元メディアによると、代表戦力強化委員会は1月に開催されたAFCアジアカップの結果などを話し合い、ベスト4敗退の結果を問題視した。ファン・ボクァン技術本部長は会議後、「様々な理由でクリンスマン監督がこれ以上リーダーシップを発揮するのが難しいという委員会の判断があり、監督交代が必要だという意見でまとまった」と説明したという。

   アジアカップで64年ぶりの優勝を目指した韓国は1次リーグE組を1勝2分けの2位で通過。決勝トーナメント1回戦でサウジアラビアを下し、準々決勝ではオーストラリアを2-1で破った。1次リーグ2-2で引き分けたヨルダンとの準決勝はプレーに精彩を欠き0-2で完敗。地元メディアによると、インターネットで優勝を逃したクリンスマン監督更迭論が高まったという。

   クリンスマン監督更迭に拍車をかけたのが代表選手による「内紛」だ。

   「スポーツソウル」(WEB版)によると、アジアカップ準決勝ヨルダン戦を翌日に控えた2月5日に代表内部に亀裂が生じたという。代表選手が全員集まって夕食を共にしていた際、一部の若手選手が卓球をするために食事を早めに切り上げた。夕食を団結の場と考える主将ソン・フンミン(31)が戻ってくるよう指示すると若手選手らが反発。口論となり何らかの理由でソンは指を負傷したという。

「違約金が発生もクリンスマン監督続投は無理だった」

   若手選手の中には韓国の至宝と称されるMFイ・ガンイン(22)が含まれていたこともあり国内では大問題に発展。「内紛」の影響もあってかヨルダンに0-2で敗れたため、複数の地元メディアはクリンスマン監督の「指導力」を疑問視。試合までに選手をまとめあげることができなかったことを非難し、敗因を監督のリーダーシップのなさとした。

   「スターニュース」(WEB版)は「総額最大100億ウォン(約11億円)の違約金が発生するにもかかわらずクリンスマン監督の続投は無理だった」とし、クリンスマン監督選出過程を問題視。クリンスマン監督を選出するにあたり協会から詳細な説明がなく「チョン・モンギュ会長の独断的な決定だった」と指摘した。

   協会とクリンスマン監督は26年7月までの契約を結んでおり、協会が更迭した場合、残りの2年5カ月分の違約金70億ウォン(約7億8000万円)を支払う必要があるという。更迭に伴いコーチ陣も一掃されるためコーチ陣の給与を合わせると100億ウォン(約11億円)近い数字になるという。

   クリンスマン監督は現役時代、ドイツ代表FWとしてワールドカップに3度出場するなどドイツを代表する名選手だった。引退後は地元ドイツ、米国の代表監督を歴任し23年2月に韓国代表に就任した。

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