「そうやって作家と直接取り引きするなら うちからいっさい漫画を配信させないぞ」
新條さんはこうした状況について、「こんだけ関わる人減ってるのに 漫画家のパーセンテージ、低くない?」と感じ、小学館から出ていく決意を固めたと振り返った。
当時、新條さんは小学館に対し自身の作品に関する「すべての権利を引き上げる」ことを求めるも、「電子書籍の権利だけは残してほしい」と言われた。しかし、新條さんは断りを入れ、電子書籍の配信元に対し直接取り引きを打診したという。
「このことを知った小学館が配信元の会社に圧力をかけました。『そうやって作家と直接取り引きするなら うちからいっさい漫画を配信させないぞ』と...」
当時の配信元は立場が弱かったことから交渉は難航するも、「出版社から出た漫画家なんだから、特例ですという形で直接取り引きができるように動いていただけました」とした。
現代においても「出版社が電子書籍での印税率を取りすぎてると気がつく作家も増えましたが どんなに交渉しても『他の作家もこの率だから。この契約がひな形だから』と印税率を変えません。出版社が莫大に印税率を搾取してるという構図です」という。
新條さんは出版社について「こうなってくるともはや中間搾取企業」と表現し、「漫画家の現状は理解できてるはず。少ないお金で、スタッフのお給料や仕事場の家賃を払っています。それだけ搾取してるならせめてスタッフのお給料はこれから出版社が支払いますとか必要経費は出版社が持ちますと持ちかけてしかるべきだと思います」と訴えた。