40代以下は「ナスダック100」、50代以上は「S&P500」
――50代以上の人に「5年間」「10年間」「15年間」で、それぞれズバリおススメの投資対象を教えてください。
熊紫云さん 全員に言えるのは、結論から言うと、米国株式に連動するインデックス特に「S&P500」がおススメです。米国株式の代表的なインデックスには「ナスダック100」「ダウ平均株価」「S&P500」の3つがあります。この中ではさらにどれに投資したらよいかは、それぞれ人の好みによります。
ただ、過去のパフォーマンスを試算したデータでは、リターンの成績がずば抜けてよいのは「ナスダック100」で、次いで「ダウ平均株価」「S&P500」の順になります。
「ナスダック100」にはITやバイオテクノロジーなどの最新技術を持つ企業と米国に上場している海外企業が含まれています。「ナスダック100」は大きな上昇とともに超高額の資産形成を可能にする一方、大きな下落を伴うこともあり、比較的リスクが高いとされます。
「S&P500」の時価総額は、米国株式市場全体の約80%を占めており、米国の株式市場動向を広く反映しています。
「ダウ平均株価」は米国を代表する企業の株価動向を示しており、ニュースでよく報道されますが、構成銘柄が「S&P500」から30銘柄に絞られている点について留意する必要があります。
――つまり、「ナスダック100」はハイリスク・ハイリターンだということですね。
熊紫云さん 仮に大きく下落しても、投資期間が20年~25年以上ある若い世代の人なら、再び上昇することが見込まれるので、大きなリターンの夢がある「ナスダック100」はおススメです。しかし、投資期間が15年以下の人は投資期間が「S&P500」のほうがより安全、かつ確実なのではないでしょうか。
――ほかに注意点はありますか。
熊紫云さん 「50代前半」「50代後半」「60代以上」別に詳しく書いた上記リポートを読んでほしいですが、基本的に残りの投資期間が少なくなってきている人で、資金的にあまり余裕がない人は、リスクの少ない投資をすることをお勧めします。無理せずに預貯金や個人向け国債のような、元本割れのない投資対象に投資したほうがよいかと考えられます。
一方、資金的に余裕がある人や投資経験が豊富な人は、投資期間や年齢と関係なく、積極的に新NISA等の税制優遇制度を活用して「S&P500」などに投資する事をお勧めします。