日本のITエンジニアの給料は安いのか? 「やっぱり低く抑えられている」という嘆きの声

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IT子会社のエンジニア「売上利益を生む仕事にシフトすべき」

   とはいえ、当のITエンジニアからは「日本のITエンジニアは地位が低すぎるし、給与が不当に低く抑えられている」と不満が漏れているのも事実だ。40代男性ITエンジニアのAさんは、ある大手メーカーのIT子会社に20年以上勤めている。

「なぜIT部門を子会社にするかというと、本体と異なる給与テーブルを採用するためなんです。つまり、日本のITエンジニアの一定数は、本体より給与を安く抑えるために作られた子会社に所属しているんです」

   いまでこそ「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」という言葉が流行し、重視されているITエンジニアだが、これまでは「コストセンター」である情報システムのインフラ整備およびオペレーションや保守の要員と見られていて、固定費を抑えることが課題となっていた。

   開発プロジェクトの必要性が発生しても、人材を直接雇用すると解雇が困難なので、社外のベンダーを調整弁として、高いお金を払ってITエンジニアを「人月仕事」で駐在してもらうやり方が当たり前のように行われてきたという。

   Aさんは「正直言うと、ベンダーの管理窓口みたいな仕事だったら専門性もたいして要らないし、安い給料でもしょうがないと思うことがある」と明かしつつ、給与を上げるためには「IT部門が売上や利益を生むような仕事にシフトする必要がある」と指摘する。

「社外ベンダーに丸投げするのではなく、経営の意思決定の質やスピードを上げる情報基盤の企画とか、売上を伸ばすマーケティングシステムやコストを下げる生産・物流システムの企画とか、そういう仕事に主体的に関わらないと給料は増えていかないでしょうね。そのためにも、IT部門は子会社ではなく本体で持ち、グループの業務に関与すべきです。そういう会社も最近増えているみたいですけどね」
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