日本のITエンジニアの給料は安いのか? 「やっぱり低く抑えられている」という嘆きの声

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   ITエンジニアの争奪戦が激しさを増している。一般従業員ですら取り合いになる中、デジタル人材の人手不足は深刻で、転職市場では給与が高騰しすぎて「既存社員とのバランスが取れなくなっている」というケースも出ている。

   にもかかわらず、日本のITエンジニアの給与は「世界的に見ると決して高い方ではない」という調査結果もある。米ドルベースでは世界72か国のうち26位と低迷し、すでに中国を下回っているというが、本当にそんなに低いのだろうか。

  • 日本のITエンジニアの給料は安いのか?
    日本のITエンジニアの給料は安いのか?
  • (図表1)ITエンジニアの給与 上位10か国(ヒューマンリソシアの作成/PayscaleのサイトにてSoftware Engineerの年収を取得し、USドルに換算)
    (図表1)ITエンジニアの給与 上位10か国(ヒューマンリソシアの作成/PayscaleのサイトにてSoftware Engineerの年収を取得し、USドルに換算)
  • (図表2)ITエンジニアの給与増減率 上位10か国(ヒューマンリソシアの作成/比較できる前年データが取得できた69カ国を対象に集計)
    (図表2)ITエンジニアの給与増減率 上位10か国(ヒューマンリソシアの作成/比較できる前年データが取得できた69カ国を対象に集計)
  • 日本のITエンジニアの給料は安いのか?
  • (図表1)ITエンジニアの給与 上位10か国(ヒューマンリソシアの作成/PayscaleのサイトにてSoftware Engineerの年収を取得し、USドルに換算)
  • (図表2)ITエンジニアの給与増減率 上位10か国(ヒューマンリソシアの作成/比較できる前年データが取得できた69カ国を対象に集計)

ビッグマックが1000円のスイスと単純比較できないが

   この調査結果は、総合人材サービスのヒューマンリソシアが、国際公表データを基に独自集計し、2024年1月16日に発表したものだ。

   1位はスイスの10万2839ドルで、1ドル150円とすると1542万円にものぼる。2位は米国の9万2378ドル(同1385万円)、3位はイスラエルの7万6500ドル(同1147万円)と続く。

   26位の日本は3万6061ドル(同540万円)で、24位の中国の3万6574ドル(同548万円)を下回った。中国といえば、かつて日本にとって低コストのオフショア(海外業務委託)先だったが、それも昔の話となっている。

   ただしこの金額は、単純に比較できるものかどうか、というところもある。たとえば、ウェブサイト「GLOBAL NOTE」によると、2022年のスイスの平均年収は9万7327ドル(同1560万円)で国際的にもトップだ。つまりスイスは、どの職種も平均が高い。

   背景には、ビッグマックの価格が1000円を超えるなど、物価高の影響がある。

   ちなみに補足すれば、日本とは社会制度も異なり、swissinfoによると「スイスでは所得税と健康保険料は給与から天引きされない」そうだ。

   また米ドルベースなので、昨今急速に進んだ円安の影響も受けている。4位のデンマークの人口は585万人、5位のパナマは435万人と少なく、1.25億人の日本と国単位で単純に比較するのはバランスがよいとはいえない。

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