旧暦の大晦日にあたる2024年2月9日夜、東京タワー(東京都港区)で中国の旧正月(春節)を祝う点灯式が行われ、中国で縁起が良いとされる赤色にライトアップされた。春節にともなう東京タワーのライトアップは19年に始まり、今回が6回目。
19~20年の点灯式は、春節休暇で多くの観光客の来日を歓迎する内容だったが、21年は新型コロナウイルスの感染拡大で一転。21~23年と3年連続でコロナ禍の収束を願うメッセージが打ち出された。春節のライトアップが新型コロナウイルスの5類移行後に開かれるのは初めて。岸田文雄首相も祝辞を寄せ、ライトアップの赤色は「年越しに際しての日本からのお祝いのメッセージ」などとして旧正月を祝った。
2023年11月の日中首脳会談にも言及
23年の式典では孔鉉佑・駐日大使や福田康夫元首相がビデオメッセージを寄せた。24年は、後任の呉江浩大使や公明党の山口那津男代表らが地上150メートルの高さにある展望台メインデッキの式典会場であいさつした。
岸田氏の祝辞では、23年11月の日中首脳会談で、習近平主席と
「『戦略的互恵関係』を包括的に推進し、『建設的かつ安定的な日中関係』を構築するという大きな方向性を改めて確認した」
とした上で、
「様々な分野で国民交流を一層拡大することについて一致しました」
とも言及。ライトアップの意義を次のように説明した。
「日本の首都東京のシンボルである東京タワーのライトアップには色々な意味が込められています。旧暦大晦日の今宵に照らし出される、中国において吉祥を表す赤色は、年越しに際しての日本からのお祝いのメッセージです。このメッセージを受け止めた日中両国の多くの方々が、ともに思いを新たにし、両国の交流がさらに深まることを期待します」
展望台に「祝福龍年」の4文字が映し出される
日本政府観光局が発表した23年12月の訪日外客数(推計値)によると、中国からの訪問客は31万2400人で、「コロナ前」の44%の水準にとどまっている。23年8月に中国からの団体旅行が解禁されたものの、観光客数は回復途上だ。
登壇者が18時30分頃に点灯スイッチを押すと、17段の階層に設置された268台のLEDライトがタワーを赤色に染めた。
春節ライトアップでは、展望台メインデッキの窓にLEDで漢字を投影するのが恒例。21年に「希望」の2文字を映したのに始まり、22年は「未来」。23年の投影はなかったが、24年は干支の辰年にちなんで「祝福龍年」の4文字が映し出された。
ライトアップは2月9日24時(2月10日0時)まで。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)