「世界のオザワ」小澤征爾さん逝く 西洋音楽の頂点に上り詰めた88年の生涯

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   楽譜は常に暗譜。ぶっつけ本番もこなす。指揮スタイルは躍動感にあふれ、実際にコンサートに行って生で聴くと、レコードやCD以上にインパクトが強い指揮者として人気があった。蓬髪を振り乱しエネルギッシュに棒を振る姿は、クラシック音楽になじみの薄い日本の一般大衆にもよく知られた。恩師の斎藤氏を称え、門下生による「サイトウ・キネン・オーケストラ」を組織、毎年夏に長野県松本市でフェスティバルを開くなど、クラシック音楽の普及や後進の指導にも努めた。

   小澤さんのすごさについて、サイトウ・キネンのビオラ奏者、川本嘉子さんは「集中力が他の指揮者と全然違う。エネルギーの伝え方が、誰にでもわかるような自然な感じで、心の中にすうっと入ってくる」と、テレビのインタビューで語っている。ファンの1人もブログで「小澤さんの指揮はやっぱり凄い! オーケストラの集中力がまるで違う。全員が同じ呼吸をして、うねりながら演奏する姿を見るだけで大感激」と記している。

   小澤さんはピアニストの江戸京子さんと結婚したが、のちに離婚。モデルの入江美樹さんと再婚した。長女の小澤征良さんはエッセイスト、長男の小澤征悦さんは俳優。ミュージシャンの小沢健二さんは甥。健二さんの父で小澤さんの兄の小澤俊夫さんは筑波大学名誉教授でドイツ文学、口承文芸学者として知られ『日本を見つめる』(小澤昔ばなし研究所)など多数の著書がある。弟の小澤幹雄さんは俳優。

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