「山と食欲と私」などで知られる人気漫画家の信濃川日出雄さんが2024年2月7日、Xで、「漫画家を都合よく管理下に置くことを、小学館のある編集者は『首輪をつける』と言った」などと過去を振り返り、思いを明かした。
信濃川さんは、小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載経験がある。
「漫画家を都合よく管理下に置くことを『首輪をつける』と...」
スポニチアネックスが7日、ドラマ「セクシー田中さん」(日本テレビ系)の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが急死したことを受け、出版元である小学館が「経緯などを社外発信する予定はない」としていると報じた。漫画家による反発や説明を求める声が相次いでおり、信濃川さんの投稿も報道を受けたものと見られる。
信濃川さんは「少し昔の話」とした上で、「漫画家を都合よく管理下に置くことを、小学館のある編集者は『首輪をつける』と言った。担当作家が問題を起こすと『ちゃんと首輪をつけておけ』と注意されるんだ、と。編集個々は善良でも、組織に飲まれれば、そう振る舞わざるを得ない。企業体質を象徴する言葉だと今でも思う」と明かした。
続く投稿では、「自分の漫画家人生において、小学館はふるさとだから。青春時代を捧げた場所だから。小学館が俺のことを切り捨てて忘れても、俺はあの場所で過ごした時間を自分の人生から切り離すことができない。そうしたくても」と振り返り、「誇れる故郷であって欲しい。それが切なる願いです」と思いを込めた。
さらに、「飼い犬として組み敷かれるのも作家の道の1つだから、それ自体を否定するつもりはありません。色々な人がいて、色々なケースがありますし、それで名作も生まれます」と理解を示しつつ、「ただ、飼い主...、ということです。この時代に、昭和のおやじに飼われるのは誰だってつらいんじゃないですかね」と吐露している。下記のようにも伝えた。
「『作家に首輪をつける』というのは、いわば"業界内スラング"。そうやって自分たちを自分で皮肉って哀しい笑いに変えながら、必死に不条理な現実に折り合いをつけ、心のやりくりをする...、そういう時に使うような表現です。社畜みたいな。内輪で笑えるうちはいいんですが、どうしたって限度はあります」
自分の漫画家人生において、小学館はふるさとだから。青春時代を捧げた場所だから。
— 信濃川日出雄 (@wagonanihs) February 7, 2024
小学館が俺のことを切り捨てて忘れても、俺はあの場所で過ごした時間を自分の人生から切り離すことができない。そうしたくても。
誇れる故郷であって欲しい。それが切なる願いです。
「作家に首輪をつける」というのは、いわば"業界内スラング”。そうやって自分たちを自分で皮肉って哀しい笑いに変えながら、必死に不条理な現実に折り合いをつけ、心のやりくりをする…、そういう時に使うような表現です。社畜みたいな。内輪で笑えるうちはいいんですが、どうしたって限度はあります。
— 信濃川日出雄 (@wagonanihs) February 8, 2024