ANA「第3のブランド」の勝算 先行するJAL系ZIPAIRに「エッジ」で差別化なるか

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   ANAホールディングス(HD)がANA、格安航空会社(LCC)のピーチに次ぐ「第3のブランド」と位置付ける「AirJapan」が2024年2月9日、成田-バンコク(スワンナプーム)間で運航を始める。これに先立つ2月6日に成田空港で機体がお披露目され、運営会社・エアージャパンの峯口秀喜社長が報道陣の取材に応じた。

   AirJapanが主にターゲットにしているのは、成長が見込める東南アジアからのインバウンド(訪日客)だ。現時点でアジアの3都市に就航することを発表している。日本の航空会社としては、日本航空(JAL)傘下の中長距離LCC、ZIPAIR(ジップエア)が20年6月に運航を開始しており、この3都市はすでにZIPAIRが乗り入れている。峯口氏は「別に競合相手の勝負を挑むため路線ではない」とする一方で、「意識していない、といえばウソになりますよね」とも。「エッジを効かせたサービス」で差別化を図りたい考えだ。

  • 報道陣にお披露目されたAirJapanの1号機。ANAで使用されていたボーイング787-8型機を改修した
    報道陣にお披露目されたAirJapanの1号機。ANAで使用されていたボーイング787-8型機を改修した
  • 1号機は「JA803A」。24年4月には2号機「JA801A」がお目見えする
    1号機は「JA803A」。24年4月には2号機「JA801A」がお目見えする
  • エコノミークラスのみ324席を備える。一般的なLCCよりもシートピッチが広いのが特徴だ
    エコノミークラスのみ324席を備える。一般的なLCCよりもシートピッチが広いのが特徴だ
  • 有料で機内食も提供される
    有料で機内食も提供される
  • 記念撮影に応じるパイロットと客室乗務員(CA)
    記念撮影に応じるパイロットと客室乗務員(CA)
  • 報道陣の取材に応じるエアージャパンの峯口秀喜社長
    報道陣の取材に応じるエアージャパンの峯口秀喜社長
  • 報道陣にお披露目されたAirJapanの1号機。ANAで使用されていたボーイング787-8型機を改修した
  • 1号機は「JA803A」。24年4月には2号機「JA801A」がお目見えする
  • エコノミークラスのみ324席を備える。一般的なLCCよりもシートピッチが広いのが特徴だ
  • 有料で機内食も提供される
  • 記念撮影に応じるパイロットと客室乗務員(CA)
  • 報道陣の取材に応じるエアージャパンの峯口秀喜社長

シートピッチの広さと「深めのリクライニング」が強み

   AirJapan は2月9日のバンコク線に続いて、22日にソウル(仁川)線、26日にシンガポール線を開設。中期的には関西国際空港と東南アジアを結ぶ路線も検討する。飛行機はANAで使用されていたボーイング787-8型機(JA803A)を改修して使用する。1機での運航を始めるが、24年4月に2号機がお目見えし、25年度末までに6機に増やす予定だ。

   ZIPAIRも787-8型機を使用しているが、座席をめぐる方針には違いがある。ZIPAIR は2クラス290席を導入しているのに対して、AirJapanはエコノミークラスのみ324席。AirJapanは前の座席との間隔(シートピッチ)の広さを強調している。アジア最大のLCC、エアアジアが約70~78センチ(28~30インチ)なのに対して、AirJapanが約81センチ(32インチ)。「深めのリクライニングが可能」ともアピールしている。ZIPAIR普通席のシートピッチ約79センチ(約31インチ)だ。

「別に競合相手に勝負を挑むための路線ではない」→「意識していない、といえばウソに」

   バンコク、ソウル、シンガポールの3都市は、すでにZIPAIRが乗り入れている都市でもある。この点を指摘された峯口氏は、「別に競合相手に勝負を挑むための路線ではない」。乗り入れを決めた理由を改めて説明した。バンコクは互いの国民感情が良好な上に需要が旺盛、ソウルは1機しかない機材の稼働率を上げる上で適切で日韓関係も好調で需要が見込める、などと説明。シンガポールは「日本が大好きな人が多い」とした。

   ただ、別の記者から

「ZIPAIRのことを意識しているのか、していないのか」

と聞かれると、「意識していない、といえばウソになりますよね」。その上で

「我々は非常にエッジを効かせたサービスやブランドになっているので、そういったところを、お客様に選んでいただけるエアラインになっていきたい」

などと話した。意識しているポイントについては、次のように話した。

「やはり路線がかぶっていますから、どちらを選ばれるのかな...?というのはありますよね。やはりこれは競争ですから、相手を意識するのは当たり前ですけど、エッジを効かせていると...。このエッジを一度体感していただくと、やみつきになってくれるのではないかと期待している」

   初便のバンコク便は往復ともに満席の予約が入っており、2月のバンコク線は90%台で推移しているという。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

姉妹サイト