「光る君へ」で紫式部、「タラレバ娘」で脚本家 吉高由里子はなぜ「物書きキャラ」がハマるのか

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   2024年1月7日から放送が始まったNHK大河ドラマ「光る君へ」。主役は俳優の吉高由里子さん(35)が演じる、平安時代に書かれた「源氏物語」の作者・紫式部だ。

   1月28日に放送された第4回まででは、まだ源氏物語に関する内容は全く出ていない。だが、第2回では若き日の紫式部(まひろ)は恋人に送る和歌を作る代書仕事をしており、早くも文才を発揮している。ところで、吉高さんは意外に「物書き」の役が多い。

  • 吉高由里子さん(2012年撮影)
    吉高由里子さん(2012年撮影)
  • 吉高由里子さん(2012年撮影)

20年1月期には「知らなくていいコト」で週刊誌記者役も

   近年の吉高さんが主演する作品を振り返ってみると、17年1月期に放送された「東京タラレバ娘」(日本テレビ系)では脚本家役で出演。うだつが上がらない脚本家・鎌田倫子が女子会仲間と繰り広げるトークシーンが視聴者の共感を呼んだ。また、20年1月期放送の「知らなくていいコト」(同局系)では週刊誌記者役で登場。母の死の際に明かされた自らの出生の「秘密」に迫る姿が人気を博した。

   吉高さんにはなぜ「物書きキャラ」がハマるのか。J-CASTニュースでは、ドラマ、演劇、映画に詳しく、書籍「ネットと朝ドラ」(blueprint)で知られるライターの木俣冬氏に、見立てを聞いてみた。

紫式部は「物語の構築力」があると同時に自己批判精神が強い

   木俣氏は吉高さんがこれまでに演じてきた他の物書き役を挙げつつ、「朝ドラ『花子とアン』では翻訳家でしたし、2月9日公開の映画『風よ あらしよ 劇場版』では作家・伊藤野枝を演じています。本当に、物書きの役を演じることが多いです」と指摘する。その上で、「光る君へ」と「知らなくていいコト」で脚本を務めている大石静氏へのインタビュー(「光る君へ」に関連して実施。1月7日公開)の際に感じたこととして、以下のように語った。

「大石静さんは、紫式部のことをインタビューで、『物語の構築力と同時に、確固たる自己批判の精神がないと、長く魅力的な物語は書けないと思います』と語っていました。私は、この確たる自己批判の精神は、自己のみならず、自身をとりまく社会や世界への批判精神にも通じると感じました」

と、大石氏が考える紫式部像がどんなものであるかを説明。その上で、「大石静さんが、これまで吉高さんと何作も仕事をしていて、信頼できる俳優であるのではないでしょうか」と、吉高さんが起用された理由を推測した。

「吉高さんにはそもそも、作家を演じるポテンシャルがあるのではないでしょうか」

   さらに、1月6日に公開した、やはり「光る君へ」に関連して行った自身による吉高さんへのインタビューの際に受けた印象を語る。

「吉高由里子さんは、取材の受け答えから感じることでしかないですが、自己批判精神もあり、世の中を冷静に客観的に見る視線もあるように感じます。率直だし、機転も利くし、独特の表現でおもしろい回答をするサービス精神があって。そこが作家を演じるのに合っているような気がします」

   また、第2回でまひろが行っていた代書仕事については「自分ではない誰かの気持ちを想像し、慮る仕事」と指摘しつつ、インタビューの際に感じたことと符合するとして、「吉高さんにはそもそも、作家を演じるポテンシャルがあるのではないでしょうか」と推測した。

(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)

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