「働きがいのある企業ランキング50社」日系企業が大躍進のなぜ 決め手は「裁量権」「社会貢献」

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

総合商社が見当たらないのはなぜ?

――なるほど。ところで、50位までの企業名を見て驚くのは、こういった企業ランキング、特に学生の就職人気企業ランキングなどでは、必ず上位を独占する総合商社の名前がほとんど見当たらないことです。
33位に住友商事が入っているだけで、1位常連の伊藤忠商事は圏外です。やはり、総合商社は日本企業特有の「年功序列」型体質から脱していないということでしょうか。

オープンワーク広報 今回の調査では、一定数の投稿がある企業を対象に集計しているため、「総合評価の低下を理由にランクインしていない」とは一概には言えません。実際に、総合商社のデータで経年変化を見ていくと、複数の企業が昨年よりもスコアを上げていました。

直近投稿されたクチコミを確認すると、若手への裁量権・成長実感に関する声が多く見受けられました。

三井物産「入社1年目から海外出張の機会を与えられる。やる気がある人、自ら手を挙げてやる人、主体性ある人などにはどんどん仕事を任せてくれる」(営業、在籍5~10年)

三菱商事「グローバルな視点で、金額規模の大きい仕事に若手のうちからチャレンジさせてもらえるのは、キャリア形成上大きな糧となっている」(営業、在籍10~15年)

伊藤忠商事「それなりに活躍の場を与えてもらうことができ、若年層でも責任ある仕事を任せてもらうことができ、成長の場=一段上の役割を担うことができたと自負できる」(経営企画、在籍20年以上)

――調査を担当して、従業員が生き生きと働きがいを持って活躍する企業にするためには、何が一番重要だとお考えになりますか。

オープンワーク広報 調査では、「若手への裁量権」や「成長機会」に関する声が多く集まる企業がランクインしていましたが、働く社員が感じる「働きがい」はそれぞれ異なります。

また、特定の項目で高い評価を得ている「スパイク型」の企業も複数ランクインしていたり、同じ評価スコアでも寄せられるクチコミは全く異なるものだったりと、企業によって強みは異なります。

採用時に自社の強みや企業文化といった、求人票では十分に伝わりきらない情報をいかに伝えて、ミスマッチのない採用を行えるかが1つの重要ポイントであると捉えます。

「自分にとって働きがいのある会社」は人それぞれだと思います。風通しの良さが第一という方もいれば、待遇面の満足度が第一という方もいらっしゃるかと思います。こうしたランキングは1つの参考として、リアルなクチコミを参考に、よりよいキャリアを考えるきっかけになったら嬉しく思います。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

1 2 3 4 5
姉妹サイト