「プロデューサーが話す『原作サイドがこう言ってた』が全て」 脚本家・野木亜紀子、「会えない」慣例を指摘

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「プロデューサーが話す『原作サイドがこう言ってた』が全て」

   野木さんは、「今回のドラマがどうだったかはわかりません。作品によって異なります」「あくまで一般論(この12年で私が見知った範囲内)の話です」と前置きしつつ、脚本の制作過程に言及。「脚本家からしたら、プロデューサーが話す『原作サイドがこう言ってた』が全て」になるという。

   野木さんは過去の経験を、「話がどうにも通じなくて『原作の先生は、正確にはどう言ってたんですか?』と詰め寄ったり、しまいには『私が直接会いに行って話していいですか!?』と言って、止められたことがあります。(後に解決に至りましたが)」と明かしている。

   一方で、「プロデューサーも、先生(編注:原作者)の意見を直接聞いているかというとそうでもない」と野木さん。原作者のスケジュールなどの都合もあり、「大抵は、出版社の担当者やライツを通した、伝言の伝言になります」。

   「もしそこで誤解や齟齬が生じても、プロデューサーとライツ・担当者が話し合って双方に還元すれば、解決したりもします」とした上で、「先生からのご指摘や感想のお手紙(メールなど)が脚本家に直接開示される状態のほうが、誤解や齟齬が少ないし、安心だなと思えます。原作の先生がどう思ったかは、脚本家としてめちゃくちゃ気になることなので」と自身の見解を示した。

   続けて、野木さんは、過去に関わった制作チームについて「プロデューサーも私も監督も、原作の先生が喜んでくださったり、褒めてくださったりするだけで、大喜びしていました。ご意見にも一喜一憂していました」と振り返り、「それでも、ドラマ・映画制作は集団作業なので、少しのかけ違いや様々な要因でうまくいかないこともたくさんあります。これは原作もの/オリジナルに関わらず、難しいなと常々思わされている点です」と締めた。

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