「腕時計シェア」運営会社が「諸般の事情」で突然解散 利用者が語った困惑の声

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   腕時計シェアリング事業「トケマッチ」を展開していた合同会社ネオリバース(大阪市)が突然、会社の解散を公式サイトで発表し、時計を預けたオーナーから戸惑いの声が広がっている。

   発表では、預かった時計は順次返却するとしているが、同社には連絡がつかない状況だという。一体どうなっているのだろうか。

  • 腕時計シェア「トケマッチ」の紹介ページ(ネオリバースのサイトから)
    腕時計シェア「トケマッチ」の紹介ページ(ネオリバースのサイトから)
  • このロレックスもサービスに預けた(写真は、ちゅうでん@Blue_Dial_Manさん提供)
    このロレックスもサービスに預けた(写真は、ちゅうでん@Blue_Dial_Manさん提供)
  • 会社からの時計「預かり証」(写真は、サービス利用のオーナー提供)
    会社からの時計「預かり証」(写真は、サービス利用のオーナー提供)
  • 腕時計シェア「トケマッチ」の紹介ページ(ネオリバースのサイトから)
  • このロレックスもサービスに預けた(写真は、ちゅうでん@Blue_Dial_Manさん提供)
  • 会社からの時計「預かり証」(写真は、サービス利用のオーナー提供)

「危険なのは充分承知の上でしたが、いざこうなると...」

   ネオリバースの公式サイトによると、トケマッチは、高級ブランド時計をオーナーから預かって預託使用料を毎月支払うとともに、時計を希望者にレンタルするサービスだ。

   ネオリバースは、2020年7月に設立され、翌21年1月からこのサービスを始めた。同社の社長がテレビ番組などに度々出演し、テレビCMも流すなどして、知名度を上げた。公式サイトによると、23年8月に時計預託本数が1500本に達し、10月にはトケマッチが商標登録されていた。

   ところが、24年1月31日になって、「法人解散によるトケマッチの今後について」と題するお知らせを出し、「諸般の事情」から、この日をもって会社を解散したと明らかにした。そして、レンタル利用者には時計の返却を求め、時計を預けたオーナーには順次返却すると説明した。6か月を目安に返却するが、明確な返却日は答えられないとした。返却が難しい場合は、規約などに基づき損害賠償額を支払うとしている。

   改めて代理人から個別に連絡するとして、会社への問い合わせは控えるよう求めるとともに、客に迷惑をかける結果になったと謝罪した。

   とはいえ、預けた時計の返却見通しが不透明なため、オーナーからは、不安を訴える声がX(旧ツイッター)上などで相次いでいる。

   ロレックスなどの高級腕時計4本を預けた「ちゅうでん」さん(@Blue_Dial_Man)は、購入価格が計450万円ほどだったとして、「返ってきてほしいです」とX上で訴えた。警察にも相談したといい、「危険なのは充分承知の上でしたが、いざこうなると...」と困惑していた。

   ちゅうでんさんは2月1日、J-CASTニュースの取材に応じ、現在の状況を次のように説明した。

認証を出したシェアリングエコノミー協会「大変由々しき問題」

「かなり痛いです。非常に辛いですね... 運営に連絡しても自動返信のメールが返ってくるだけです。電話は繋がりません。収益性の高さからこのサービスを利用していました。去年の9月頃から利用しておりました」

   ちゅうでんさんは、「被害者の会に参加したいです」と明かしたが、弁護士などに相談する費用の捻出にも苦慮しているという。

   また、別のオーナーは2月1日、取材に対し、ロレックス1本を正規店で100万円ほどで購入し、23年12月26日からトケマッチのサービスを利用したと答えた。時計の預かり証も示し、そこでは、預託使用料が月額で3万4900円(税込)を支払われるプランになっていた。損害補償額の上限は、275万円(税込)だった。

   時計のレンタル料は、約6万円だったといい、半額強がオーナーに支払われる計算だ。契約から1か月ほどしか経っていないため、お金の振り込みはないという。

「半分怪しいと思ってました。ただ2年以上続いていること、実績があることから始めるのを決意しました」

   このオーナーも、警察に相談したといい、「被害者の会も作る動きはありますがまずは社長を問い詰めたいです」と明かした。

   会社解散による騒ぎがX上などで広がって、社長インタビューなどを乗せたメディアのネット配信記事は次々に削除されている。

   ネオリバースが所属しているシェアリングエコノミー協会にも、オーナーらから説明を求める動きが出て、同協会は1日、対応について公式サイトで釈明した。

   そこでは、オーナーに時計が戻ってこない状況などに「大変心を痛めております」と明かし、同社が協会の認証マークを取得していることに責任を感じているとした。「シェアリングエコノミーの健全な発展と市場形成を目的に活動してきた団体として、また、信用・信頼がビジネスモデルの根幹として最も重要と認識し、業界の環境整備に取り組んできた団体として、大変由々しき問題」だとして、同社の会員資格などを暫定的に停止したうえで、「事実関係を把握すべく調査を進めております」と報告した。

   テレビのコメンテーターもしている協会代表で社会活動家の石山アンジュさんも、X上でこの協会の釈明を紹介していた。

   オーナーの不安に対しどう対応するのかなどについて、J-CASTニュースでは、ネオリバースに対し、問い合わせフォームなどを通じて取材を申し込んでいる。回答があれば、追って伝える。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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