プロボクシングの元世界2階級制覇でIBF世界フェザー級6位・亀田和毅(TMK、32)が2024年3月31日に名古屋国際会議場でIBF同級2位レラト・ドラミニ(南アフリカ、29)と対戦する。亀田は23年10月の対決でドラミニに1-2の判定で負けており、今回が再戦となる。
「このままでは終われないという気持ちがあった」
亀田3兄弟で唯一の現役である和毅はドラミニとの再戦を発表した会見の席で「負けたら引退します」と公言。勝てば世界ランク上昇が見込まれフェザー級での世界タイトル戦が見えてくる。ボクサー生命をかけて臨むドラミニとの再戦。陣営はどのような青写真を描いているのか。「負けたら引退」発言の真意とは。J-CASTニュースは和毅が所属するTMKジムの金平桂一郎会長(58)に話を聞いた。
IBF世界フェザー級2位決定戦と銘打たれたドラミニとの初戦は、亀田が立ち上がりから慎重な姿勢で様子見が続いた。中盤からようやくエンジンがかかり始め攻撃に転じたが判定でドラミニの手が挙がった。2人のジャッジが4ポイント差でドラミニを支持し、残り1人が2ポイント差で亀田を支持した。
金平会長によると、試合から数日後に和毅からドラミニとの再戦の申し入れがあったという。
金平会長は「このままでは終われないという気持ちがあったのだと思います。本人の口から再戦の話が出たので、和毅の判断を尊重したかった」とし、「負けたら引退」宣言に関しては「年齢的なものもあるし、実績のある選手が連敗をするということはそういうこと。それだけの覚悟を示すということです」と説明した。
「この難儀を乗り越えた後に色々なことを言える立場になる」
陣営はドラミニとの再戦を制して年内の世界タイトル戦を目指している。幅広く世界主要4団体(WBA・WBC・WBO・IBF)の王座を見据えるが、メインターゲットとなるは世界6位にランクされるIBF王座だという。
金平会長は「いずれ引退の時がくるでしょうが次の目標はあくまでも世界タイトル。前回負けている相手なので、勝利が当たり前みたいなことは言えないですし、我々も背水の陣です」とし、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、30)に言及した。
「井上選手と対戦は先のこと。まずドラミニ選手に勝ってフェザー級のタイトルを取ってからの話です。まだまだ先の話だと思っています。今は3月31日に集中。フェザー級でタイトルを取るのも難儀。この難儀を乗り越えた後に色々なことを言える立場になる。今は井上選手のことを言える立場にない」
3月31日の再戦に向け現在、米国から招へいした2人のパートナーを相手に実戦練習のスパーリングを行い、調整を続けている。