「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が訪れた」
国連のグテーレス事務総長が2023年7月にこう発言して以来、より切迫感の高まった気候変動の問題――。その打ち手となる「脱炭素」への取り組みも、一段と加速している。
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とくにいま国を挙げて推し進めているのが、GX(グリーン・トランスフォーメーション)だ。GXとは、CO2排出量の削減などの「脱炭素」活動を通じて、社会を「変革」していくことを意味する。
「その変革は経済成長の機会になり、企業にとってビジネスチャンスとなり得るものです」
企業のGX実現を下支えする、日本最大級のGXの商談展「GX経営WEEK」事務局長・岡部憲士氏はそう話す。いまなぜこれほど、GXは注目されているのか。なぜ企業にはGXが必要なのだろうか――。
GX経営、最初の一歩は「CO2の見える化」
2023年5月、「GX推進法」が成立してからというもの、GX(グリーン・トランスフォーメーション)の動きは勢いを増している。経済産業省(METI)が主導する、脱炭素に関する対話や市場のルール形成を目指す場とする「GXリーグ」の活動への参画企業も560社を超えるなど、多くの企業が関心を寄せる。
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こうした高まるGXの機運をさらに盛り上げるのが、RX Japanが主催する商談展「GX経営WEEK 春」だ(2024年2月28日(水)、29日(木)、3月1日(金))。
構成展として、「脱炭素経営 EXPO」と「サーキュラー・エコノミー EXPO」の2つを傘下に置く。従来は個別だった各展示会が今回、「GX経営WEEK」の名のもと、シリーズで展開する。そのねらいについて岡部氏は、次のように語る。
「カーボンニュートラル(温室効果ガスの「実質ゼロ」)な社会の実現に向けて、脱炭素経営、脱炭素の取り組みが進んできたと思います。しかし、そのアプローチだけでは真の意味でカーボンニュートラルに近づけないのではないか、半分止まりではないか――そんな課題意識がありました。もうひとつ大事なのが、サーキュラー・エコノミー(循環経済)の観点だからです」
サーキュラー・エコノミーとは、資源を効率的、循環的に利用していく経済の仕組みだ。ようするに、できるだけ廃棄物を出さない、ということ。大量生産→大量消費→大量廃棄が一方向に進むリニアエコノミー(線形経済)に代わる経済の仕組みとして、欧米での関心が高まっている。
「GX経営WEEK」事務局次長・小笠原徳裕氏
「GX経営WEEK」の運営で手腕を発揮する、事務局次長・小笠原徳裕氏は「日本でのサーキュラー・エコノミーの関心はこれから」としながらも、次のように説明する。
「当然ながら資源は限られていますから、資源を循環させて有効に活用する発想が今後のトレンドになるでしょう。海外では、サーキュラーな設計思想で、資源の消費を抑え、本体を長く使うスマートフォンも出ています。カーシェアリングなどのシェアリング・エコノミーもこの範疇ですね。将来的にはこうした発想が当然になり、企業は(そして消費者も)マインドチェンジが求められそうです」
もっとも、「脱炭素経営とサーキュラー・エコノミー、どちらも今後、企業の成長戦略には欠かせなくなる」と、岡部氏は言う。
それが今回、2つの展示会に「GX経営」の名を冠したねらいでもある。どちらもGXの重点テーマだけに、経営者をはじめ、経営企画室、サステナビリティ推進室などの関係者はいま熱視線を向けているのだ。
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では、企業が取り組むべきGX経営への最初の一歩とは何か。小笠原氏はこう解説する。
「ポイントはCO2の見える化です。自社がどれくらいCO2を出しているか可視化できるデータがなければ、脱炭素の対策として何をすべきか、削減できるのはどこか把握できず、有効な手が打てないからです。
CO2の見える化は、情報開示の義務化などから、大企業やその関連会社では浸透してきましたが、中小企業ではまだまだ。最近は、銀行が企業に対して脱炭素経営のアドバイスをしたり、CO2の見える化ソリューションを案内したりする動きも出ています。こうしたGX経営のヒントが今回の展示会も満載です」