急死した漫画家・芦原妃名子さんの訃報に際し、芦原さんの漫画「セクシー田中さん」を原作にテレビドラマ化していた日本テレビのドラマ公式TikTokでの挙動に、注目が集まっている。
「素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので、私の力不足が露呈する形となり反省しきりです」
各メディアの報道によると、芦原さんは29日、栃木県内で死亡しているのが見つかった。50歳だった。自殺とみられるという。
ドラマ「セクシー田中さん」をめぐっては、芦原さんとドラマ制作陣の間にトラブルがあったとみられている。
同ドラマの1~8話を担当した脚本家はインスタグラムで23年12月下旬、脚本をめぐって「最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急きょ協力という形で携わることとなりました」「この苦い経験を次へ生かし、これからもがんばっていかねばと自分に言い聞かせています。どうか、今後同じことが二度と繰り返されませんように」などと投稿していた。
芦原さんは9話と最終回の10話の脚本を担当しており、24年1月26日にブログとXで「9話、10話の脚本を書かざるを得ないと判断するに至った経緯や事情」を説明している。
未完作品のドラマ化にあたって「必ず漫画に忠実に」、漫画では完結していない終盤部分については「原作者があらすじからセリフまで用意する」といった条件を提示したものの反故にされ、「当初お伝えした『ドラマ化の条件』はどうなってしまったのだろう?という疑問を常に抱えた状態での加筆修正の繰り返しとなって、その頃には私も相当疲弊していました」という。時間的な限界から、9、10話は条件としていた「原作者が用意したものをそのまま脚本化していただける方」への交代を求めた。
結果として芦原さんが最終2話を執筆したが、「素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので、私の力不足が露呈する形となり反省しきりです」などとして謝罪。ドラマのキャストや制作スタッフ、読者や視聴者らに「深く感謝いたします」としていた。
芦原さんはその後投稿を削除し、Xで28日に「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」と投稿している。
こうした経緯を受け、SNSでは「セクシー田中さん」の日テレ公式TikTokアカウントの挙動に注目する投稿が相次いでいる。
「最終回の内容は残念でしか無かった」「今期1番好きなドラマでした」
23年12月25日の「約束のステージ」とする投稿では、同公式アカウントが「最終回ストーリーがスカスカでビックリしました」「最終回の内容は残念でしか無かった」「最終回いきなり、やりたいことの詰め合わせみたいになってて、悲しかった...」など最終回の脚本を批判する投稿に「いいね」をしていることが確認できる。
こうした情報がX(旧ツイッター)で拡散すると「原作を改変しない約束していたらしいのに原作者の芦原妃名子さんが口出ししてきたことがそんなに気に入らなかったのか?」「この件想像以上に闇深すぎて日テレにはドン引きっすわ いや、漫画原作だよね」「相当原作者をめんどくさい扱いしてた匂いがめっちゃするな」「これほんと何?最低すぎん??」などと疑問の声が相次いだ。
しかし実際には、同公式アカウントは脚本批判のコメントだけでなく、「漫画の田中さんそのまま!ほんに美しかったです 続編お願いします」「今期1番好きなドラマでした」「面白かった!続編希望します!」「みました。感動しました」などのコメントや、絵文字だけのコメントにも数多く「いいね」をしていた。
Xでは「見てきたんだけど賞賛するコメにもいいねしてたぞ」「番組の公式アカウント見てきたけど好意的なコメントにもいいねしてた」「コメント欄切り取ったやつなんだろうけど明らかに印象操作」「他の投稿も投稿直後はいいねしてるってだけで批判コメントばかり拾ってるわけじゃないよ」などと諫める声も多い。
一方で「確かにかなり目立つけど、、下の方行くとちらほら普通のコメントにいいねもしてるからなんとも言えない でもこれにいいねする必要ないよね」などの指摘もある。