多大なストレスに耐える、タフな精神の持ち主
このように倒産から見事に立ち直った経営者には、どんなパワーがあるのだろうか。J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当した東京商工リサーチ情報部の平島由貴さんに話を聞いた。
――なぜ、再起企業のほうが一般企業より業績が上なのでしょうか。一度会社を倒産させたはずなのに、経営者が優れているということですか。
平島由貴さん いくつか理由が考えられます。まず、倒産から復活を果たしたため、会社自体がずっと倒産しないで続いている企業より若い企業が多いことが特徴です。経営者自身も倒産時の年齢のボリュームゾーンが40代~50代と、一般企業の平均(60代)よりはるかに若々しいことが大きいです。
経営者もバイタリティーあふれる人だけが生き残ることができました。倒産後の債権者集会などで、債権者たちと向き合い、しっかり説明責任を果たしてきた人たちです。多大なストレスにも耐えられるタフな精神の持ち主なのでしょう。
――若い企業だから、ゼロからのスタートダッシュが利くということですか。
平島さん それもありますが、必ずしもゼロからのスタートではありません。再起企業の多くは、まったくの異業種を始めるケースは少なく、かつての経験が生かせる同じ業種が多いです。前の失敗体験を生かし、マイナスをプラスに変える強みがあります。それが、一般企業より高い増収率につながっていると思います。