2023年10月~12月放送のドラマ「セクシー田中さん」(日本テレビ系)の原作者で漫画家・芦原妃名子さんの死去をめぐり、同作で脚本を務めた相沢友子氏のSNSにコメントをした人に対しても誹謗中傷が相次いでいる。そのひとりが文筆家で写真家の泉美咲月さん。1月30日、インスタグラムでコメントを書き込んだ経緯を説明し、「今や家族も身の危険を感じております」と訴えた。
「私も物書きの1人として尊厳を傷つけられたお気持ち、お察しします」
芦原さんは作品の制作陣と折り合いがつかず、9・10話の脚本を自ら担当。元々脚本を担当していた相沢氏は23年12月末、「最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しましたが、残念ながら急きょ協力という形で携わることとなりました」などとインスタグラムで言及した。
1月30日時点で、泉美さんが相沢氏のインスタグラムにつけたコメントは確認できない。何らかの理由で削除された可能性もあるが、SNSでは、泉美さんが「はじめまして。毎週楽しみにしていました。最終回に向かって、急に世界観もテンポも変わったので不思議でした そして、えっ、ここでふんわり終わり?と。でも訳が分かりました。そして、私も物書きの1人として尊厳を傷つけられたお気持ち、お察しします」と、相沢氏にコメントしている画像が拡散している。
泉美さんは芦原さんの訃報が出た翌日の1月30日、自身のインスタグラムを更新。「芦原妃名子先生のご訃報に接し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。昨日の夕刻、ニュースを目にし、言葉もなく悲しみにたえません」と述べた上で、相沢氏の投稿にコメントした理由を説明した。
泉美さんは「私は執筆業を致しておりますが、ドラマ『セクシー田中さん』で作品を知り、励まされた、いちファンに過ぎません。ましてやテレビ制作関係者でも、芦原先生、相沢友子先生との面識もございません」などと前提を説明した上で、プライベートでは「心労過労が重なり不調を覚え2023年7月より、鬱の治療を受けております」と明かした上で、「10月よりリモートワークに切り替え、心身の健康を取り戻すことに専念しておりました。その間、好きなベリーダンスに関したドラマが始まったと知り、視聴したところ、大変感銘を受けました」と視聴に至った経緯をつづった。
「書き手、作り手というのは、皆さま孤独なもので、それを察しての発言」
相沢氏の投稿にコメントした理由については、「ドラマが終盤になって流れが変わったように感じていたこともあり、素直にその投稿の感想を書きました」と説明。その際に「尊厳」という表現したことについては、次のように述べた。
「多々ある制作事情の上で両先生のご事情を察して明記したものでした。書き手、作り手というのは、皆さま孤独なもので、それを察しての発言で、それ以上でもそれ以下でもありません」
その後、泉美さんは1月27日に「相沢先生の投稿にコメントした私や他の方々が攻撃されている事態」を把握したと説明。「身も知らぬ方々のコメント内容に面喰いました。またXで炎上し、相沢先生がすでに閉じていられるコメント欄をスクショされたものが公開され、私や他の方々にまで攻撃が集まっていることに驚きました」
さらに、芦原さんの訃報後、泉美さんは「人殺し」「もう世に出てくるな」「詫びろ」という恫喝の言葉や、「なぜ芦原先生を攻撃した」というメッセージが多々届いたという。「寄せられる言葉に恐怖すら感じております。今や家族も身の危険を感じております」と述べた上で次のようにコメントした。
「なにより、これ以上、悲しみ悩む方が増えて欲しくありません。そして、こうした悲しい出来事やニュースが傷ついた人の心をも巻き込んで、悲劇が二次三次に及ぶこともあって欲しくありません。どうぞ、ご理解をいただければ幸いです」
【悩みを抱える人へ、厚生労働省が紹介している主な相談窓口】
・いのちの電話(一般社団法人 日本いのちの電話連盟) 0570-783-556(ナビダイヤル)/0120-783-556 (フリーダイヤル)
・こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556
・#いのちSOS(特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク) 0120-061-338
・よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター) 0120-279-338/(岩手県・宮城県・福島県から)0120-279-226
・チャイルドライン(特定非営利活動法人(NPO法人) チャイルドライン支援センター) 0120-99-7777 (フリーダイヤル)
・子供(こども)のSOSの相談窓口(そうだんまどぐち)(文部科学省) 0120-0-78310(フリーダイヤル)