2024年12月2日、保険証が廃止され、マイナンバーカードが保険証の機能を有するようになる。だからなのか、能登半島地震の発生から3週間たった1月23日、河野太郎デジタル相の口から、「避難の際にはマイナンバーカードと一緒に避難を」という趣旨の発言が飛び出した。
マイナンバーカードの利用には、通信機器への接続を要するものが多い。マイナ保険証の場合、医療機関に読み取り用カードリーダーが設置されている。だが大規模停電が続けば、こうした機器は動かない。マイナ保険証に一本化された後、もし大災害が起きたら――。
「氏名」「年齢」「勤務先の事業所名」を申告
現在は、マイナ保険証と従来の保険証の併用期間だ。自身が被災した場合に備えて、現行保険証の運用が終了するまでは、自分の保険証のコピーを取っておくと役に立つ。これを現金や常備薬など、非常時に備えて入れておく「防災ボトル」の中に一緒に詰めておくと、いざというときに使えるだろう。単純に保険証を紛失した場合も、代わりになりそうだ。
だがマイナ保険証のみの世の中になったら、コピーの取りようもない。能登半島地震のような大規模地震が起きた際には、仮にマイナンバーカードを持って避難しても、停電でカード情報を読み取ってもらえなければ「無保険証状態」と同じだ。
J-CASTニュースBiz編集部は、このような場合の対処法を、全国健康保険協会に聞いた。
担当者によると能登半島地震を含め、大規模災害発生時には「保険証がなくても問題ない」と話す。医療機関で「氏名」「年齢」「勤務先の事業所名」を述べれば、保険適用を受けた上で医療機関を受診できるとの説明だ。
なお、編集部は厚生労働省の担当課にも、マイナ保険証の災害時における使用について電話取材を試みた。複数回かけたが、いずれの際も担当者が不在とのことで、答えてもらえなかった。
(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)